education

ノマドワーカー「批判」と、理念としての「ノマド」。

起業に属さず、一人で/フリーランスで働く生き方としての「ノマド・ワーカー」。

カフェで優雅に仕事をする人たち。

 

そんな「ノマド・ワーカー」に対し、最近Web上で批判の声をよく聞く。

 

いわく「ノマドは正規雇用のハードさに耐えられないヤツの逃げた姿の正当化」であるとか、

「チャラチャラしたよくわからんヤツ」とか。

 

さんざん、である。

 

私が「日本ノマド・エジュケーション協会」事務局長である以上、

私はどこまでも「ノマド」擁護派である。

 

しかしそれは、現実の「ノマド・ワーカー」擁護では、ない。

 

理念としての「ノマド」擁護である。

 

「ノマド」。

それはドゥルーズとガタリが概念化した発想。

ピラミッド型の組織に対し、無限に拡散する「ネットワーク」として掲げた概念である。

 

ジャガイモやオリズルランなんかの「根茎」、つまり横に横に広がる根っこを意味する「リゾーム」を整理した概念だ。

(写真はオリズルランの根茎。根っ子の一部から、あらたに葉っぱや花が生えてくるのです)

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「ノマド」。

それは「遊牧民」である。

 

組織・構造を超え、自由に/縦横無尽に動き回る主体としての「ノマド」である。

 

「何ものにも頼らない」という意味で「近代人」の究極の姿が「ノマド」なのである。

 

つまり、本来「ノマド」を批判するのは「中世復古主義」の現れなのである。

A・ギデンズのいう「ハイ・モダニティ」の主体としての「ノマド」なのである。

 

時代は「近代の窮極」としての「ノマド」を求めている。

決して、「大企業」「大組織」あるいは「構造」「組織」を土台にした

単なるワーカーを求めてはいない。

 

「ノマド・ワーカー」批判は、その意味で時代錯誤である、とも言える。

 

無論、私もチャラチャラした「ノマド・ワーカー」や

適当な「ノマド・ワーカー」は嫌いだ。

 

そうではなく、あくまで理念として「ノマド」を擁護するのである。

教育パワーランチ!2013年前期のスケジュール!

私・藤本も副代表として関わっている「北海道教育ユニットEDU」。

毎月、北海道教育ユニットEDU主催で開催しているのが「教育パワーランチ」です。

教育に興味のある方々・教育で働いている方々が集い、楽しく交流する場となっております。

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毎月日曜日、Coworking Cafe 36にて「12:00-14:00」開催中です!ご要望にお答えして、平成25年前半期の日程を掲載致します。

ぜひお気軽にご参加ください。

お申し込みはinfo@edu-hokkaido.comまでどうぞ!

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教育パワーランチ 日程

●3/17(日)12:00-14:00

●4/21(日)12:00-14:00

●5/12(日)19:00-21:00
☆5月は夜に「教育パワーナイト」開催です。

●6/23(日)12:00-14:00

●7/21(日)12:00-14:00

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会場です。

会場のCoworking Cafe 36は、地下鉄東豊線「学園前」駅徒歩7分。

国道36号線で、歩道橋のふもとにあります。
[googlemaps https://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&safe=off&q=%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E8%B1%8A%E5%B9%B3%E5%8C%BA%E8%B1%8A%E5%B9%B3%EF%BC%93%E6%9D%A1%EF%BC%98%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%EF%BC%8D%EF%BC%92%EF%BC%98&ie=UTF8&hq=&hnear=%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E8%B1%8A%E5%B9%B3%E5%8C%BA%E8%B1%8A%E5%B9%B3%EF%BC%93%E6%9D%A1%EF%BC%98%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%E2%88%92%EF%BC%92%EF%BC%98&t=m&z=14&brcurrent=3,0x5f0b2a2d37ac8b15:0xbdf0d530294cddb3,0,0x5f0b2a2d2d64f067:0x276202e973224a95&ll=43.048906,141.375906&output=embed&w=425&h=350]

「勉強になった」禁止令。

研修やセミナーに出る。

その時、「勉強になった」という声をよく聞く。

(ちなみに私の学校でもよく聞きます)

しかし、あまりにも多くこの声を聞いていて、疑問が浮かんできた。

 

「この人は、何を学んだのか」

「どんなふうに勉強になったのか」

「今後どう役に立つのか」

 

あまりにも適当に「勉強になった」を言ってはいないだろうか?

 

ただ「勉強になる」というのと、「カネになる」「役に立つ」のは全く違う。

 

「研修」や「勉強会」の問題点は、「いいことを学んだ」だけで全く身にならない事がある点だ。

 

「研修」や「セミナー」は麻薬と同じ。

やるときだけ、ハイになる。

 

ある意味でエンターテイメント。

悪く言えば一瞬しか効かない栄養ドリンク。

暇つぶしに買われたスポーツ紙。

 

そんなセミナーを自分はしていないか?

そんなセミナーに自分は出ていないか?

 

自問したくなってくる。

 

「研修」や「勉強会」に出る人はパチンコをやっている人よりは「良さ気」な時間の使い方をしているように見える。

 

でもそれが「カネになる」のかどうかを考えると、パチンコの回収率のほうが高いかもしれない。

 

セミナーをやる側は、セミナーというだけで「よさげ」なイメージがある。

でもそれが本当に役立っているのか、検討が必要だろう。

 

無論、セミナー依存者を増やすことで自己の売上を上げることも可能である。

よく言うとファンづくり、悪く言うとカルトの教祖。

 

日本ノマド・エジュケーション協会主催・就活セミナー!

2月・3月に、日本ノマド・エジュケーション協会主催の就活セミナーを2本、実施致します!

2・3月は息切れしやすい時期です。

2・3月を過ぎると、いよいよ面接が始まる企業が多いです。

この2・3月が就活にとって、大事な時期となります。

ぜひステップアップのために、下記の2つの講座、受講されてみてはいかがでしょうか?☆彡

(就活生はもちろん、学生・社会人の方もご参加いただけます!)

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講座1 就活生のための「コーチングで一歩先行く」セミナー!

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詳細はこちら。

就活生のための「コーチングで一歩先行く」セミナー!

自分の力・可能性を引き出す「コーチング」を学び、
「一歩先行く」就活をしましょう!

【日時】2013年2月17日(日)19:00-21:00

【場所】Coworking Cafe 36(札幌市豊平区豊平3条8丁目1-28)
最寄り駅:地下鉄東豊線「学園前」駅 徒歩7分

【内容】「コーチングって何?」「コーチングで何が出来るの?」「コーチングを使って就活を勝ち取ろう!」「コーチングを今後、どう使っていけばいいの?」

【参加費】2,000円(ワンドリンク付き!)

☆単にコーチングを学ぶだけでなく、実際のアクティビティもあります!就活仲間も増えるかも!

講座2 就活生歓迎!人からの「見られ方」をよくする講座

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詳細はこちらです。

就活生歓迎!人からの「見られ方」をよくする講座

面接は第一印象が大事です。
それを「良くする」コツを学びましょう!

写真の写り方など実践的なテクニック満載です!

【日程】2013年3月3日(日)13:30-15:30
開場 13:00
☆ひな祭り開催です!

【場所】エルプラザ 3F OA研修室
(エルプラザ JR札幌駅北口より徒歩3分・札幌駅北口地下歩道12番出口横から建物の中まで直通できます!)

【内容】
・とっても大事な「色彩」のお話
・パーソナルカラーって、何?
・上手な写真の「撮られ」方
・魅力的な笑顔の出し方

【参加料】2,000円(学割1,500円)
☆学生証をご持参の場合、学割いたします!

【定員】20名

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どちらもお申込みはリンク先のページから承っております。

ご質問・お問い合わせは日本ノマド・エジュケーション協会 info@nomad-edu.netまで、お気軽にどうぞ!

ノマド・スタディ考。 〜「いつでも・どこでも」学ぶことの陥穽とその対策⑥〜

続いて、『私の早慶大合格作戦』を見ていく。

●早慶

『私の早慶大合格作戦 2012年版』

「それで行きの電車の中では英単語の勉強をしていました」「帰りは古文単語の『頻出古文重要語』(桐原書店)を使って単語を覚えていました。電車の中の時間を有効活用していましたね」(12 太田もえ)

「また、私は文化史が苦手だったので、自分でレコーダーに吹き込んで寝る前に聞いていました」(25 今村達也)

「(単語帳を」毎日のちょっとした時間を利用して覚える。
単語だけを30分や一時間かけて勉強することは退屈でなかなか集中できません。ですので、バス、電車などを待つ時間、寝る前の時間、起きた直後の時間などのちょっとした時間を使い、集中して単語を覚えることが効果的であると思います」(77 匿名希望)

「(漢文の参考書)ズボンのポケットに入るほどの大きさで持ち運びが非常に便利で、ちょっとした時間に勉強できます」(81 匿名希望)

「(注 参考書は)普通に学校で配布されるものを使っていました。1冊これ、と決めてとことんするのが好きで、お風呂や移動中など、どこへでも持ち歩いて時間を見つけて開いていました」(85 二木緑葉)

「参考書付属のCDはiPodに入れて学校への移動時間などの隙間時間を見つけて何度も聞きましょう」(96 岸利宣)

サブノートを作っていくという「この作業をたとえば一つの長文につき三個くらいのペースですすめていくと、一冊の自分のオリジナル正誤問題集が完成します。あとは、完成したら、電車の中や、ちょっとした隙間時間を利用して解いていってください」(108 早川智美)

「暗記が苦手でなかなか覚えられない、という方少なくないと思います。私自身そうでした。そこで私はICレコーダーを使いました。具体的には時代別に年号のゴロや重要用語をICレコーダーに吹き込み、通学の間に聞いていました。満員電車で身動きが取れなくても、耳で聞くことは可能ですし、五感を十分に使うことで記憶が鮮明に残るという点で効果的だったと思います」(109 早川智美)

「たとえば通学時間。電車が混雑するから勉強できない。だからしかたない。これはいけません。混雑して、単語カードもめくれないというなら、ICレコーダーを利用して、耳で覚える勉強ができます。自転車通学の人だって、赤信号を待っている間に単語一つ覚えられるはずです。他にも、携帯をいじっている時間や、テレビを見ている時間、ただダラダラ過ごしている時間など全て考慮すると、意外と、利用できる時間はたくさんあります。こういった、いわゆる隙間時間を大いに利用して、周りとの差を広げていってください」(『私の早慶大合格作戦 2012年版』:116 早川智美)

「7〜8時に起きて、朝ご飯を食べながら単語とか熟語みたいな、書く作業をしない勉強をやっていました。昼ご飯もひとりでそんな感じですごし、晩ご飯は家族と食べて、しばしの団欒、それから、勉強。寝るのは3時以降でした」(118-119 八木健太)

「例えば平日は朝4時半にマクドナルドで朝マックを食べながら勉強して、そのあと学校についたら学校の自習室で勉強して、学校の授業を受けていたんですけど、家では勉強しなかったですね。そのかわりに夜10時に寝て朝3時に起きて、自分の時間は保ちつつ勉強の時間もちゃんととっていましたね」(129 関友樹)

『私の早慶大合格作戦part1 2011年版』

「着替えるとき、ご飯や移動時間は、iPodに入れた『ターゲット1900』や『DUO』、それとICレコーダーに吹き込んだ日本史と古文単語を聴いていました。寝るときも、これを流したまま寝ます。お風呂はもちろん参考書持ち込み、トイレはプリントを壁に貼って、起きている時間はずっと勉強態勢です」(『私の早慶大合格作戦 2011年版 part1』85-86 二村萌)

参考書の紹介として「DUO セレクト CD(アイシーピー)1つの英文に重要事項がたくさん盛り込まれていて、かつおもしろい。移動中や寝る前に聴いていた」(91−92 二村萌)

「単語カードはただ『ターゲット』を写しただけでしたが、載っている意味は全部書きました。これを直前期は朝起きて、お昼の後、寝る前と一回ずつ回しました。
ノートは、過去問ノート(2回目以降、前回間違えた個所を確認できる)と自由ノート(無地の大きい自由帳に)暗記事項、まとめ、落書き、メモなどが書かれている)を主に使っていました。」(97 二村萌)

「ノート・カードを作ることで時間や体力を消耗したり、満足してしまったりするのが嫌だったので、ほとんど作っていません。参考書を何度もまわして、正誤のチェックマークをつけるくらいでした」(138 田中綾乃)

「時間とスピードを意識した勉強は、おのずと集中力につながるように思います。あと、個人的には、電車の中で勉強するのが今でも一番集中できる上に、通学などでは乗る時間が決まっているので、時間セットを体に覚えさせるのにもよいと思っています」(141 田中綾乃)

「私がこの膨大な単語量をこなすのに愛用したのは、『単語王2002』(オー・メソッド出版)という単語帳です。まずは毎日1unitのペースで1周します。このとき注意したいのが、1周し終わったころには最初のほうの単語を忘れてしまっていることです。空いた時間に以前やったページをこまめに見直すのもいいですし、覚えにくかった単語を単語カードに書きだしてそれを見直すのもいいでしょう(個人的には後者のほうがよかったのですが…)_(149 加藤勇人)

「単語帳やカードをいつやるか。これもなかなか難しい課題です。私はやり慣れた単語帳や単語カードは地下鉄やバスでやって、初めて手をつけるものは机でじっくりと時間をかけて取り組むようにしました。やはり初めて見る単語は慎重に覚えるべきです。単語を覚えられるか否かは、最初見たときに覚えたか否かに直結していると思います。最初に|単語を見たときに覚えないと、その単語に「難しい」というレッテルを貼ってしまい、その単語に対して苦手意識を持ってしまうからです。だから、初めて見る単語は慎重に時間をかけて覚えましょう」(149-150 加藤勇人)

「文法は先ほども説明したように、中澤先生の『Flash! Grammar Tips1・2』を使っていました」「その際、「My Tips」といって、小さめの手のひらサイズのノートに自分の苦手分野を項目別にまとめてピックアップすると、空いている時間にチェックすることができる|ので、効率良く覚えることができます。苦手分野は一日のうちいかに多く目を通すかで、すぐ克服できると思うので、触れる機会だけでも自分で作ってみてください」(177−178 鈴木美紀)

「直前期はその文化史のテキストをコピーして、サランラップに包んでお風呂の壁や洗面所の壁に貼り、髪の毛を洗いながら、髪の毛を乾かしながら、ひたすら食い入るように見ていました(笑)
細切れの勉強時間はあなどれません。いかに工夫して生活に取り入れるかも重要ですよ。どこでも勉強する時間を作り出してみてください。意外にも無駄にしている時間は多いものです。そこで差を少しでもつけましょう」(180 鈴木美紀)

『私の早慶大合格作戦 2011年版part2』

単語帳を「何度も繰り返しながら、よく忘れてしまう単語をノートなどに書いて、電車などの移動中にチェックなどすると、効率よく覚えられる。CDやフラッシュカードを使って、音読したながら暗記すると覚えやすくなる」(36-37 匿名希望)

「私は全教科、間違えた問題や正解していても解説を見て足り|なかったものをノートに写し、電車の移動中やバイトの休憩時間などこまめに見ていました。そもそも間違えた問題を次に出来るようにすること以外に、学力を上げる方法などないと思います」(154-155 猪又雅司)

日本史のゴロ「付属のCDを細切れ時間に聴くことで、さらに効果的に暗記することができました」(186 早瀬雄一)

『私の早慶大合格作戦 2010年版part1』

「また、私はク|ラスのDSブームにのっとって、山川出版社の日本史ソフトを買って、持ち歩いてヒマなときにやりました。常に接しているという心がけが大切だと思います」(75-76 大岩千紗)

『私の早慶大合格作戦 2009年版』

予備校ある教師の「授業はスピーディーで、ムダなものが省かれている。この何十枚もあるプリントを、私は2年間かけてじっくり覚えていった。あるときは縮小コピーしてポケットサイズにして、ちょっとした時間に見直した」(101 野村明義)

世界史の参考書について「何度もこの中のゴロには助けられました。もう一つオススメなのが、授業を録音したものを、食事中、歯みがき中などに聴くことです。|私は夏や冬に代ゼミのフレックスサテライン(諸岡先生)を取って、カセットに録音して常に聴いていました。英語と同じで、やはり暗記は何度も触れることがいちばんです」(187-188 石川昇)

『私の早慶大合格作戦 2008年版 part1』

英単語「覚え方としては、別売りになっているフラッシュカードで一日1~3ユニットを一回5・6個ずつ休み時間などに少しずつ覚えていき、次の日の朝にもう一度通して見ると効果的です」(26 猪口翔)

『私の早慶大合格作戦 2007年版 part1』

「②(注 英熟語の参考書)は暗記の助っ人というのがあって、覚えづらい熟語もわりとスラスラ入りました。CDも買い、電車の中で聞いていました」(49 石渡健輔)

「ちなみに憲法は夏休みに毎日お風呂で暗唱して覚えました。政経はこの方法で模試では最高偏差値77までいきました」(85 市原弘規)

「私はiポッドにリスニングのCDをすべてまとめ、移動時間中に聞いていました。単語帳の音読CDなどもiポッドに入れておくと持ち運びが便利ですし、無駄な時間を節約できます」(126 石井誠)

「私はこの問題集を、いつもフラッシュカードと一緒にポケットに入れていました。空いた時間、休み時間や待ち時間にも勉強できるようにです」(176 村山天生)
古文単語帳「これはCD付属のもあり、私はMDに入れ、自転車での通学、通塾時にずっと聴いていました」(180 村山天生)

ここまで『私の東大合格作戦』と『私の早慶大合格作戦』を見てきた。
さて、ここから見えてくるのは受験生の「ノマド・スタディ」の手法の特徴である。

1,ノマド・スタディは「情報カード」「サブノート」「ミニノート」に暗記事項を書くことによって為される行為である。

2,東大合格者よりは早慶合格者のほうが「ノマド・スタディ」記述が多い。

3,2はブルデューの言うところの「ディスタンクシオン」の違いである。つまり、一見泥臭さのある「ノマド・スタディ」(=いつでも・どこでも学習)記述は「スマートさ」のある文化貴族である東大合格者の合格体験記では「敬遠」され、逆に早慶合格者には自己の努力資本を示すものとして賞賛される結果となる。

この1〜3から読み取れるのは、「ノマド・スタディ」の格差性である。東大合格者のほうが「スマート」な「ノマド・スタディ」記述となっている。

参考文献

浅田彰, 1983, 『構造と力――記号論を超えて』勁草書房.
『千のプラトー』
中谷健一, 2010, 『「どこでもオフィス」仕事術――効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法』ダイヤモンド社.
和田(1994):受験勉強マニュアル
斉藤日出治, 1999, 『ノマドの時代[増補版]――国境なき民主主義』大村書店.
高島徹治(2007):『もっと効率的に勉強する技術!』 すばる舎 (2007/7/20)
佐々木俊尚, 2009, 『仕事をするのにオフィスはいらない――ノマドワーキングのすすめ』光文社.
竹内洋(1991):『立志・苦学・出世』講談社。

立川第一デパート主義。

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東京都・立川駅周辺にはいくつもの百貨店がある。

ルミネ、高島屋、グランデュオのほか、フロム中武、伊勢丹などなど。

その中で、一番地味なのは「第一デパート」である。

いまどき看板が昭和の風情を出しており、内部もダサい。
お客も言うほど多くない。

立川の百貨店のほとんどにある「オリオン書房」の他は、知られた店が少ない。

ハッキリ言って「すたれた」百貨店である。

しかし、札幌にいる今、無性に懐かしく「立川」らしさを感じるのは第一デパートである。

田舎から出て来て、立川で高校時代を過ごした私にとって、立川は新宿以上に魅力的な都会だった。

しかし、私には立川の他の百貨店はきらびやかすぎて入っても落ち着くことが出来なかった。

それは「もぐりこむ」隙間のなさによる。
私が好きなのはフラッとベンチに座り、そのまま何時間も本を読んでも起こられない場所である。

第一デパートはまさにそんな空間であった。
洒落た洋服屋もなく、ダサいテナントが多い。

しかしそんな雰囲気がなんとも落ち着いていた。

教育学において、学校建築の再考が訴えられている。
いちばん多く語られるのは、合理的に「多数の生徒を入れるハコ」としての学校をやめること、である
合理的・無機質・均等に配置された教室は、「合理的」であるもののそこでのんびりしたり、ほっとしたりすることを想定していない。
だからこそ「子どもが潜り込める」空間・時間のある学校建築が目指されている。

立川第一デパートはそんな潜り込める空間が多々あった場所である。
活気はないものの、何か落ち着くものがあった。

そういう、潜り込める空間を私は求めていた。

そういう潜り込める空間を、札幌にももっと見つけたい。
それが今の願いである。

☆執筆後確認した所、この第一デパート、なんと2012年に閉店したとのこと。
あの空間はもうない…。そう思うと「青春」の何かを失った気が…。

レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース『シェア 〈共有〉からビジネスを生みだす新戦略』NHK出版 2010。

この2年、なにげに自分は「シェア」が身近であった。

 

職場をシェアする「コワーキングスペース」でのインターンシップ、

各種「シェアハウス」の見学のほか、

札幌では実際に「シェアハウス」に住み、

「コワーキングスペース」でバーテンをやるようになっている。

 

そんな自分を改めて「振り返る」のに、『シェア』は有効だった。

 

自分が使わないもの・いらないもの・「ちょっとしか」使わないもの。

それをネットで伝達し、モノの交換・引取り・貸出をする。

そういったものを「コラボ消費」と呼んでいる。

 

「コラボ消費とは、おままごとのような善意の譲り合いではない。逆に、個人の自由を手放したり、ライフスタイルを犠牲にしなくても資源をシェアできるようなシステムを確立することだ」(21)

 

つまり、「コラボ消費」をするのが「貧乏」でも「せせこましい」のでもなく、

逆に「めっちゃ楽しい!」という価値を示していくことが必要なのだ。

 

 

本書には、ブレインウォッシュという団体の活動が描かれている。

地球環境のために各家庭で洗濯機を買うのでなく、「コインランドリー」を有効に使おう、という運動だ。

「洗濯機シェア」である「コインランドリー」には、「ダサさ」「暗さ」「貧しさ」がつきまとう。

 

はじめは政府に助成金を依頼したり「コインランドリーはエコ」などの呼びかけ活動をしていたが、どうも限界に終わってしまった、という(日本の市民活動も、大体この2つをやるにとどまっている)。

 

そのかわりにはじめたのは、「コインランドリーを使う」ことの「楽しさ」を積極的に打ち出したことだ。

 

「カフェを併設したり、ハッピーアワーや音楽ライブ、スタンドアップコメディの上演といった時間をつくったり、ピンボールマシン、無料の無線LAN、そして宿題ができる場所まで提供して、ユーザーを喜ばせている。そこは明るくモダンなスペースで、屋内と屋外に座席があり、気持ちのいい音楽が流れ、壁にはファンキーなアートがかかっていて、スタッフが親しげに手助けしてくれる−−ほとんどのコインランドリーのような暗くて陰気な雰囲気とはちょっと違う感じだ」(268)

 

つまり、「コインランドリー」の価値を再定義したのである。

コインランドリーを「洗濯機の買えない人のための貧弱な空間」という価値付けを「楽しい」空間に置き換えたのだ。

彼らは「消費者を変えようとするのではなく、システム自体を変えた」(269)のである。

「コラボ消費」を道徳や倫理観から「やっていこう」と呼びかけるのでなく、「楽しさ」で伝えていったのだ。

 

この「楽しさ」には、「楽しさ」をコミュニティで「シェアする」ことでさらに広まる。

 

「ナイキ・ブランドのチャーリー・デンソン社長が、投資家への最近のスピーチで言ったように、「消費者は、コミュニティの一部になりたがっている。それが、デジタルやヴァーチャル・コミュニティという場合もあれば、リアルなコミュニティということもある。自分が何かの一部だと感じたいんだ。関わりあいたいと思っているんだ」(249)

 

私も仕事のために札幌に「一人で」来たため、ともすれば職場以外にコミュニティのない「ハイマートロス」(故郷喪失者)であり「デラシネ」(根無し草)な男になるところであった。

 

シェアハウスに住み、コワーキングスペースを利用することで、私も「札幌」のコミュニティに参加する主体となれる。

 

「モノに囲まれた孤独な買い物客が、「幸せ」を体現しているとはだれも思わないだろう。今「幸せ」とは、より広く、よりインタラクティヴなプロセスになっているのだ」(270)

 

 

☆本書は「コワーキングスペース」誕生の経緯も描かれています(213ページ)。

「会社の机でも、自宅でもない場所。好きな時に参加できるパブリックな場所で、そこへ行くと必ずだれかに会えて、何か役に立つことをお互いに交換できるかもしれないスペース」。なおかつ「そこにいる人たちは、独りだが、同時に一緒に働いていた」(215)といえる空間。

Coworking Cafe 36も、この理念を外さずにやっていくことの大事さを改めて感じています。

ノマド・スタディ考。 〜「いつでも・どこでも」学ぶことの陥穽とその対策①〜

「ノマドというのはこの本の冒頭でも説明したように、昔は単なる「遊牧民」を意味していました。しかし社会がだんだん固定化され、産業革命を経て人々が工場労働などに携わるようになって自由な生き方が難しくなってくるにつれ、ノマドは別の意味を持つようになっていきました。つまりは自由の象徴、この圧政と隷従の社会からの闘争の象徴としてのノマドなのです」(223-224)
佐々木俊尚, 2009, 『仕事をするのにオフィスはいらない――ノマドワーキングのすすめ』光文社.

1,ノマド・スタディとは何か

「いつでも・どこでも」学べるという記述。この「いつでも・どこでも」という言葉は、ビジネス書における「ノマド・ワーキング」を思い起こさせる。ドゥルーズ/ガタリのリゾームのように、無限に拡散していくイメージの中で、場所性を超えた働き方のことこそ「ノマド・ワーキング」。このイメージでいくと、「いつでも・どこでも」学ぶということは「ノマド・スタディ」と言えるのではないか。本稿では「いつでも・どこでも」の学習を「ノマド・スタディ」と定義し、それが意味する内容の概念化の分析を試みたい。

2,ノマド・ワーキングとは何か

ノマド・スタディについて考えるにあたり、参照枠組みとしてノマド・ワーキングについて考察することにしよう。「ノマド」はドゥルーズ/ガタリが『千のプラトー』において用いた発想である。ツリー型の知・組織のあり方に対し、リゾーム型のあり方を提唱する際、リゾーム型の主体として想定されたものが「ノマド」である。
浅田(1983)もノマド型のあり方をネットワーク構造として析出している。一般化された「ノマド」の概念は黒川紀章がはじめ「ホモ・モーベンス」の概念を用いていたものを、黒川(1989)から使用し始めている。ノマド・ワーキングを謳う各種文献・雑誌から、ノマド・ワーキングの姿を析出することが本節の課題である。

中谷(2010)は佐々木(2009)を引きつつ、「働く場所を自由に選択する移動型の働き方」(中谷 2010: 6)としてノマドワーキングを定義する。具体的には「パソコン片手に街をオフィス代わりに働くというワークスタイル」(中谷 2010: 7)が想定されている。
「ノマドワーキングとは、仕事をする場所と、活動のフィールドを自分で自由に選択するという働き方です。無駄なストレスや時間の浪費をなくし、ネットワークを広げ、仕事の質を高める仕事術といえます。(…)ノマドワーキングは効率マニアの仕事術とは大きく異なります。仕事は、自分の会社の肩書きでオフィスにこもってやらなくてはいけないという常識を捨て、仲間とつながりながら楽しく仕事に向き合う手法なのです」(中谷 2010: 26)。

この「ノマド」という言葉に対し否定的な論者もいる。斉藤(1999)は「人びとは地域・階級・家族・国家など、みずからが帰属する伝統的な組織から根こぎにされ、ばらばらの個人として資本の蓄積過程へと動員されるようになるからである。この浮遊する個人は、もはやおのれのアイデンティティを伝統的な組織への帰属によってたしかめることができない。人びとは自力で自己のルーツをたどり、自己の喪失を自覚し、自己の存在を確かめるように強められる。二〇世紀の動員体制が生み出した最終的な帰結が、このようなノマド的個人であった」(斉藤 1999:255)。斉藤のみるノマド観は、「自由」というノマド・ワーキング論者のそれでなくデラシネ(根無し草)としてグローバリゼーションの世界の中で孤立する個人像であった。

ここまで見たのは「ノマド・ワーキング」への賛成・反対の声である。「いつでも・どこでも」働けることの利点を述べる中谷に対し、斉藤は「ばらばらの個人」に分けられてしまうことの問題点を指摘しているのである。この両者の立て分けは、これから見ていく「ノマド・スタディ」にも当てはまるのか否かを次で見ていく。

「アンケート」に隠された、3つの法則

私が高校教員として職場で一番学んだのは、「振り返り」の大事さだ。

私の職場ではイベントでもなんでも、何かの後には「必ず」といっていいほど、「振り返り」を行う。

 

「振り返り」、すなわち「リフレクション」である。

端的に言って「アンケート」と述べることにしよう。

 

授業のレポートに「アンケート」的な「感想」欄があるほか、「学校祭」や何かの後も振り返りをする。

その点を日本ノマド・エジュケーション協会のイベントでも行うようになった。

 

その結果、見えてきた法則が3つある。




 

1,リフレクションをすると、イベントの内容が内面化される。

 

これはまあ、当り前。

学んだこと/目にしたことを書き留めると、記憶に残る。

アンケートを書くと、人間は嫌でも「言語化」する。
言語化することは、記憶に残すための第一歩だ。

 

人間、「読めない」英単語を覚えることは出来ない。

Newspaperという単語も、「ニュースペーパー」という読み方と、「新聞」という意味を聞いているからこそ記憶に残るのである。

 

何かを記憶に残すには、アンケートなり日記なりで「言語化」することで、自分のなかで情報が整理される。

アンケートは究極の記憶定着装置なのである(おおげさだけど)。

 

 

2,アンケートを書く/書いてもらうと、結果的にイベント自体が「よい」ものに美化される。

この2の部分,実は一番「アンケート」をやる意味なのじゃないか、と(密かに)私は思っている。

 

 

「今日のイベントはいかがでしたか?」の質問に対し、

「4 とてもよかった 3 よかった 2 悪かった 1 とても悪かった」と書いてあれば、大体の人は「4」を選ぶに決まっているのだ。

特に少人数のイベントの場合、大体の人は遠慮から「とてもよかった」に丸をしてくれる。

 

人間、自分の行動から逃れることは出来ない。

心では「ああ、このイベント、いまいちだったな」と思っていても、アンケートを手渡され、「感想」を書く段になると、「とてもよかった」に「うっかり」丸をしてしまうに決まっているのだ。

 

そうすると、来て下さった人に対しても「ああ、なんか良かった点もあるかも知れない」と「合理化」してくれる。

 

世の中の数あるイベントには、やはり数あるアンケートがある。

アンケートをやっていながら、「読まない」という主催者を、私は多く知っている(私は全て読んでいます)。

「読まない」アンケートも、実はアンケートを書いてくれる参加者に、「このイベント、良かったかもしれない」という「誤解」や「解釈」をもたらしてくれる側面がある。

主催者側にとって、アンケートに1つでも「悪かった」の丸があると、ガクッと来る。

 

 

しかし、大体は「とてもよかった」に「だけ」、丸がついている。

そうすると、世のイベント主催者たちは「俺たち、頑張ったぜ!」とアンケートを見ながらガッツポーズをするのである(たぶん)。

 

 

3,イベントという「贈与」への「反対給付」となる

 

授業とは、単に一方的に与えられる「贈与」である。

しかも、送られる「贈与」を「断る」ことは出来ない(やりにくい)。

 

いやいや聞かされている人にとって、この「贈与」の一方性は「暴力」である。

何かを相手に「返礼」する義務が生じるからだ。

 

 

 

…これがバタイユの言う「贈与」の発想(『呪われた部分』)。

人間、一方的に贈与されると、なにかお返しをする必要があるという、隠れたルールをまとめたものだ。

もうすぐ来る年賀状も、来た以上、大部分の人が「返事」を書く。

そして郵便局だけが儲かる。

 

 

…それはともかくとして、一方的な「贈与」は「反対給付」をする機会がなければ、人間、落ち着かない。

 

授業やイベントの「アンケート」欄は、この「反対給付」を行なってくれる効果がある。

 

 

 

私にはこんな経験がある。

演劇を見た後、何故か「何もやっていない」自分に対し、虚しさを感じることがある。

舞台の役者は汗ダラダラで、全力を尽くして我々に演技を「贈与」してくれている。

でも私は涼しい部屋でただ見るだけ。

おまけに私は基本的に演劇は一人で行くため、誰かと話して虚しさをごまかすことも出来ない。

そんなとき、「虚しさ」を解消するのが「アンケート」なのである。

 

 

自分も何かやりたい。
自分も何か騒ぎたい。

イベントのあとの高揚感は、向かう先がないとすぐに「虚しさ」と軽いうつ症状をもたらす。

そんな現代人の悲しさを解消してくれるのが、「アンケート」という文明の利器なのである。




【イベント】気軽に!コーチング講座

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いま、巷で話題の「コーチング」。

相手を伸ばすこの技法を、今日は楽しく気軽に学ぶイベント、開催しました!

会場はCoworking Cafe 36

コーチングの理念にかなう、少人数でじっくり進めるイベントとなりました。

参加者の方からは次の感想を頂きました。

「講師の教え方が判りやすかったです」

「コーチングの基本的な考え方を学べました。こういう感じで、
いろんな物事に触れるきっかけをつくっていけるのは素晴らしいと思います」

希望があればまた次回の開催も行いたいと思います!

講師をお引受け下さった八木様、ありがとうございます!