本記事は、「いつも悩んでばっかり」という人には
ある意味「劇薬」です。
合う人、合わない人がいるかとも思いますが、
ご自身で判断してお読みください。
【コンテンツ】
(1)いい「悩み」・悪い「悩み」
(2)悩んではいけない理由
(3)悩みに、意味なんてない
(1)いい「悩み」・悪い「悩み」
教育関係の仕事をしていると、
仕事柄たくさんの「悩み」を聞きます。
「勉強が出来ない!」
「成績が上がらない!」
また、最近は社会人の方からの「悩み」や「質問」もよく聞きます。
「ホームページを作りたいんだけど、
藤本さん、どうやったらいいんでしょう?」
これらの「悩み」は「いい悩み」です。
これらの「悩み」「質問」には答えやすいのです。
それは、答えを導きやすい「悩み」「質問」だからです。
「勉強が出来ない!」
「成績が上がらない!」には、
次の答え方ができます。
「では、いまの勉強の仕方はどうなっていますか?」
「どの辺りの学習からつまづいていますか?」
アドバイスもしやすいです。
「ホームページを作りたいんだけど、
藤本さん、どうやったらいいんでしょう?」
この質問も、
「ではいっしょにやってみましょう」と言うことができます。
始末が悪い「悩み」もあります。
こんなものです。
「私は何をしてもうまくいかない。
いなくなった方が良いんじゃないか、と悩んでいます」
この手の悩み、本当に多いですね。
私もよく聞きます。
実は「昨日」も聞きました。
この手の、自分の存在に対する「悩み」は本当にたくさんの人が持っていますね。
(2)悩んではいけない理由
私も、大学生時代、ずっと悩んでいました。
日々、「ああ、なんで自分はこんなにダメなんだろう・・・」
「ああ、もういなくなってしまいたい・・・」
そんな悩みでいっぱいでした。
昨日聞いた相談も、私が散々悩んできたような悩みでした。
ず〜っと、ほぼ1時間、「悩み」を聴いていました。
その後で、私は、こう言いました。
「あなたは、悩むのが好きだから悩んでいるだけですよ」
そういうと、相手はキョトンとしていました。
「好きなわけないじゃないですか!」
「でも、そんなに長時間アタマを使うし、【いかに自分はダメか】言いたいという欲求も満たしているし、
何よりエネルギーと時間をかけて【わざわざ】悩んでいるんでしょう? それはもはや【趣味】ですよね」
そうなんです。
「自分はいかにダメか」「自分はなんて不幸か」悩んでいる人は、
「悩みたいから、悩んでいるだけ」なんです。
悩むだけの時間とエネルギーを使い、
わざわざ悩んでいるんです。
大部分の人は怒るでしょうが、
悩むのが好きだから悩んでいるんです。
逆に言えば、「悩み」がなくなるのが怖いんです。
けっこう、まじめな人ほど「悩み」を真正面から問い続けようとします。
姜尚中の『悩む力』以降、そういう人が増えた気がします。
姜尚中は〈悩んで悩んで、そこから突き抜けるものがある〉といいます。
それに共感し、「よし、もっと真剣に悩みを追求しよう!」という人がいるのも確かです。
でもね。
姜尚中は「大学の学長」でもあるんですよ。
「考え方」「思考」のプロなんですよ。
姜尚中の「悩み」方と、
あなたの「悩み」方は一緒だと思いますか?
物事には、考え方があります。
「こう考えれば、うまくいく!」という感じの本やテレビ番組は結構あります。
悩んでばかりいる人は、「悩み方」「考え方」を考えなおしたことがないはずです。
そう。
悩みには「正しい悩み方」があるんです!
正しい悩み方。
それは「キチンと答えが出る問いを立てる」ということです。
あなたはちゃんとした「問い」を立てているでしょうか?
ちょっとした例で見てみましょう。
駅を出て道に迷ったとしましょう。
正しい「問い」の立て方は、もちろんこんな問いでしょう。
正しい「問い」
「どうやったら、市役所までいけるんだろう」
この「問い」だと、他の人に聞いたり、
看板を探したり、
「思いきって、タクシーで行っちゃえ!」ができます。
間違った「問い」の立て方を見てみましょう。
間違った「問い」
「私は、どこに行くべきなんだろう」
「私は、何を目指しているんだろう」
正しい「問い」との違い、分かりますでしょうか???
全然、問いが明確じゃないですね。
この「問い」を周りの人に聞いても、
まず間違いなく、助けてはくれないでしょう。
この駅の例だと、
「そんなの当たり前じゃん!」という人も居るはずでしょう。
ですが。
悩んでいる人のほとんどは、
「答えが出ない」問い、
「答えを出せない」問いを【わざわざ】立てているんです。
そして、【わざわざ】悩んでいるんです。
私が好きな本『道は開ける』にも、
悩みに対する捉え方が出ています。
D・カーネギー KADOKAWA/角川書店 2014-11-22
結論は、明確です。
「悩まなくていい悩みで、悩んではいけない」です。
人間は悩まなくてもいいことで悩む生き物なんです。
だから『道は開ける』では、
「悩みがあるなら、忙しくしろ!」という強烈なアドバイスをします。
忙しいなら、くよくよ悩むヒマはなくなります。
『道は開ける』でも、軽度のうつの人は仕事を忙しくすればいい、というアドバイスをしているくらいです。
そう。
悩むのはヒマだからです。
悩むのは、ヒマな人の「趣味」なんです。
わざわざ、他にもっと楽しいことやお金になることがあるのにもかかわらず、
「好き」だから「悩んでいる」だけなんです。
(3)悩みに、意味なんてない
「悩み」について、もう一つお話をします。
フランスの哲学者・アランはこういいます。
「不幸になる考えは全て誤った考えである」(『幸福論』)
「私なんていない方がいいかも・・・」というような「悩み」は、「不幸になる考え」です。
その「悩み」に、意味なんてありません。
だって、「誤った考え」なんですもん。
昨日お話を伺った人も、
「私の悩みを、そんなに「誤っている」なんて言うの、ひどくないですか!」と言っていました。
それに対し、私はこう答えました。
「あなたの悩みで、あなたは幸せになりましたか?
他の人は幸せになりましたか?
誰かの役に立ちましたか?
そうなってないなら、そんな悩み、悩む意味ってないんじゃないですか?」
相手はハッとした表情をしていました。
そうなんです。
自分の幸せにも、誰の幸せにもならないなら、
悩んではいけないんです。
でもみんな真面目だから、
「そうだよね」といって、
悩みを真剣に聞いてしまいます。
それでますます悩みのある人は図に乗って、
悪い「悩み」ばっかり相談するようになるんです。
しまいには「悩み」を聞いてくれる人がいなくなり、
本当に不幸になってしまいます。
だから、誰かが
「そんな悩み、間違っている!」と言ってあげるべきなんです。
よく私は関西人なので、
「悩んで1億円もらえるなら、悩んだらいいじゃん」といいます。
大体の場合、
悩んでもお金にすらなりません。
でも人は悩むんです。
不思議ですね。
ヒマだからでしょうね。
悩むのが好きだからでしょうね。
はやくその事実、伝えてあげなきゃ、ですね!
こちらもどうぞ!
(1)田中ちひろ, 2013, 『悩みの9割を消す技術』ダイヤモンド社。
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