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大国の衰退

大国の衰退というテーマを学問的に研究している京都大学の中西輝政教授によれば、世界の歴史上大国というものが現れては消えて行くのが常であるという。たとえばローマ帝国、スペイン帝国、大英帝国などであるが、その衰退の時にはかならずと言ってよいほど共通する特徴が現れるという。それは財政の危機、議会制度の荒廃、官僚の腐敗、社会的現象としてのブランド志向、グルメ志向、イベント志向(ローマでは奴隷と、猛獣との闘いなどを見せて喜んでいた)、健康ブーム(人々が明日への発展に興味を持てなくなり自分の身体に興味が向いていく現象)、そして教育の荒廃である。これらのすべてが現れればその国は衰退するという。

(石角完爾, 2000, 『アメリカのスーパーエリート教育』ジャパンタイムズ, 280頁)

 

・・・。

「定義」すること

何事も大事なのは「定義」をすること。

このことを私は『無印良品は仕組みが9割』で学びました。

 

例えば、サービス業で身近な「接客」とは何か?

考えてみると難しいものです。

 

「接客」とは単に「レジ打ち」や「お客に関わる」ことなのか。
「気持よく買い物をしていただくためのサービス全体」なのか。

「ホスピタリティ溢れる対応で、〈また来たい!〉という思いを持っていただく」ことなのか。

定義によって、やるべきことは大きく変わります。

 

「接客」を明確に定義することにより、「接客」の意識が変わります。

 

「接客」を単に「レジ打ち」と認識している人と「ホスピタリティ溢れる対応で…」と認識している人とでは、
行動が違ってくるのです。

 





以前、「地域活性化とは何か、定義することが必要」との文章を本ブログで書きました。

実は「地域活性化」に限らず、仕事においても大事なことだったのだと思います。

では、私の仕事である「教育業」で「定義」を考えてみましょう。

 

まず「授業」とはなにか。

 

「授業」…「教員-生徒、あるいは生徒間、またはそれ以外の他者のかかわり合いの中で、必要とされる知識・スキルを伝達・共有し、授業時間の中で習得できるようにすること」

 

では「学校」は。

「学校」…「教員-生徒、あるいは生徒間、またはそれ以外の他者のかかわり合いの中で、コミュニケーションおよび生活スキルの習得、あるいは学校生活の思い出を築く場所。卒業後も「あの学校は良かった」と回顧されるような場所であり、進路について生徒が自分で考え、卒業までに確実に進路保障を行うべき空間」

 

両者にある「教員-生徒、あるいは生徒間、またはそれ以外の他者のかかわり合いの中」は、教育の基本となる点です。

 

この部分は自学自習では出来ないところです。

せっかく「学校」に来るのならば、この部分の価値を見ていく必要があります。

 

こちらもどうぞ!

 

  1. 学校現場における「スティグマ」と「ラベリング」 (2)
  2. PCはアイデアを殺す道具? (2)
  3. 斎藤環『承認をめぐる病』 (2)
  4. 『ヒーローを待っていても世界は変わらない』? (2)

「私立通信制高校のリアル〜私立通信制高校の多様性〜」開催しました!

平成25年8月7日(水)、「私立通信制高校のリアル」を開催しました。

これは、日本通信教育学会と株式会社デジタル・ナレッジの後援も頂き、開催したものです。

「私立通信制高校の多様さ」について、シンポジウムを交えながら検討しあう場となりました!

私のほか、東京学芸大学大学院の土岐さん、名古屋大学大学院の内田さんにもお話いただきました。

個人的に感動したのは、我々通信制高校の研究者の「先駆者」ともいうべき、手島純先生にご講評いただけたことです。

「5分」のために、駆けつけてくださったこと、感謝しても言い尽くせません。

今回はデジタル・ナレッジの「Clica」(クリカ)を活用してのシンポジウム。

発表中に「この点はどうなのか」などといった質問をWebを通じて行える、というシステムです。

鋭いご指摘が多数あり、イベントを通じて私自身学ばせて頂きました。

ご参加いただいた皆さま、大変にありがとうございました!

「日本通信教育学会 研究論集」に論文が載りました!

お久しぶりです、藤本研一です。

この度、「日本通信教育学会 研究論集」に、私の論文(正しくは「研究ノート」)が掲載されました!

私にとって「初」の査読論文となります!

いま読み返すと書き直したい点も多々ありますが、
形になったのは大変ありがたいことです。

「私立通信制高等学校の単位修得補完システム」とのタイトルで掲載されています。

ぜひチェックしてみてください☆彡

第8回 教育パワーランチ、開催しました!

本日7/21(日)は教育パワーランチを開催しました!

テーマは「人が育つ・人を育てる環境」。

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グループごとに、KJ法を用いつつアツく議論して行きました!

「人が学ぶためには、いろんな人とつながるマッチングが必要」
「積極的に人と出会い、刺激を受けていくと学びが広がるのではないか」

…多様な意見が出ました。
人が育つ・人を育てる環境について、参加者のなかで発想が広まりました。

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さて、次回の教育パワーランチのお知らせです。

次回は8/25(日)12:00-14:00、
Coworking Cafe 36にて実施します。

多数のご参加、お待ちしております☆彡

マレビトとしての転入生(フィールドワークとしての通信制高校)

私の勤務校は、ありがたいことにイジメが少ない社会となっている。

その理由には「転入生」の存在がある。

 

私の担任する学年は、ほぼ毎月転入生が増えている。

これは社会集団の流動性・異質性をあげるのに役立っている。

 

例えば過度にくっつきすぎた集団に転入生がやってくることで、刺激が与えられる。

特に不登校などを経験した生徒は「ベタベタ」というほどくっついてしまうケースが有る(男女限らず)。

その「ベタベタ」に、「ちょっとツライな」「きついな」というタイミングで転入生という名のマレビトはやってくる。

 

 

転入生が来ると、みな一定期間「よそ行き」の顔になる。

ある意味、人間関係の中和材となっている。

転入生というマレビトの出現は、新たな人間関係の網の目構築に人を向かわせる。

 

 

マレビトは、しかし危うい状態に置かれる。

私の勤務校でも、「あいつら」として転入生が語られるケースを何度も見てきた。

「同質性」「凝集性」の高い集団へ「違和」を与える存在こそ、マレビトである。

 

転入生はチヤホヤされる(=歓待)反面、「自分たちのクラス」に入れられるかどうか、駆け引きがある。

うまく「俺たち」という関係性に入ることが出来れば万々歳、できなければ「前の学校」コミュニティに生き甲斐を感じるしかない。





はっきり言って「転入生」という立ち位置は非常にヴァルネラブルである。

しかしそこを経験することで、マレビト(=転入生)としての人間的成熟もあるのであろう。

 

転入とは圧倒的アウェイに立たされた側の立場である。

転入生としてうまく立ちまわる力を身につけるのは、「アウェイに負けない」心理を学ぶことにほかならない。

 

こちらもオススメ!

 

  1. 夢と、思いと、今の自分と。 (2)
  2. 意外と知らない教師の日常。 (2)
  3. 「定義」すること (2)
  4. 苫野一徳, 2014, 『「自由」はいかに可能か 社会構想のための哲学』② (2)

林真理子『野心のすすめ』

シンプルライフとかなんとか流行っているけれど、

たまにこういう「ギラギラ」の本を読むのもいい。

 

特に、教員生活2年目で「自分はどう生きるべきか」考える際には。

仕事論の他、人生設計に関してなど、なかなか学ぶところが多い本であった。

…ただ私も、本書で批判されているような若者かもしれない。

「人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身に着けていきます」(135)

「世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力をしなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います」(135-136)

 

「早いうちから’何者’かになろうという野心を持ち、努力を重ねているに越したことはないわけです」(137)

 

「現状がイヤだと思ったら、とことん自分と向き合うこと。
友達と気晴らしに呑んで騒ぐのもいいけれど、時にはひとりで思い切り泣いたり、徹底的に落ち込んでみる必要があります。落ちるところまで落ちて初めて、「自分はなぜ楽しくないのか」「自分はどうしたいのか」が見えてくる。そうして、次にどんなアクションを起こせばいいのかもわかってくるのです。
では、「なんだかつまらない」のに、いくら考えても、自分が何をしたいのかわからない時はどうするか。
「何をしたいのかさえわからない、自分の至らなさ」をまずは自覚することです」(20)

「人に否定されたら、悔しい気持ちをパワーに変えてしまいましょう。凹んでいるだけでは、悪口を言った憎たらしい相手の思うツボではありませんか。今に見てろよ、と思う打たれ強さを意識的にでも持ちたいものです」(111)

読んでいて思うのは、仕事に「楽しさ」ばかりもとめることの無意味さである。

仕事は基本的にツライもの。

だからこそ、仕事は人間を鍛える。
そのツラさが「野心」に通じる。

仕事の「やり甲斐」どうこうを問うよりむしろ、
「まずやってみろ!」「継続しろ!」を自分に言うしか無いんだなあ。

就活・転職イベント「就活リスタート」、開催しました!

本日5/26(日)、Coworking Cafe 36にて、
就活・転職イベント「就活リスタート」、開催しました!

講師は今回も社労士の田井政智さん。

就活・転職の「つまずきやすいポイント」を一つひとつ見ていく他、
自分が必要とするものの優先順位を立てる「ライフプラン」づくりまで話が進みました。

自分にあった企業は何か。
その優先順位を決めることの大事さを学ぶイベントとなりました。

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参加者から「とてもタメになりました」「グループディスカッションに必要なものがなにか、知ることが出来ました」などのコメントをいただきました。

次回は7月末頃、再び開催の予定です。

第2回せんきょCampさっぽろ開催しました!

ふだん、あまり考えることの少ない「選挙」や「政治」。
それを楽しくワイワイと話し合うイベント、それがせんきょCampです。

今回、Coworking Cafe 36にて「第2回せんきょCampさっぽろ」を開催しました。

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「参院選直前!」のため、今回は下のテーマでディスカッションしました。

①参院選のポイント
②どうやったら「せんきょ」「政治」が楽しくなるか?
③「政治」を学校で楽しく・わかりやすく扱うアイデア

①については、「アベノミクスをどう見るか?」
「理念と現実をいかに区別しながら政治を行うか」などの議論が出ています。

②については、「せんきょCampで議会に見学に行く」「政治家を招く」「解決策を考えるイベントを行う」など、せんきょCampのやり方自体につながるアイデアが出ました。

③については、「新聞をもっと授業に活用する」
「違う政党の政治家を呼び、子どもの前で子どもに分かるように議論させる」など、実践的なものが出ました。

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参加者の広がりを作り、コンスタントに実施する。

ふだんの忙しさから距離を取り、じっくり政治を考える場を作る。

今日の参加者の皆さんから、せんきょCampさっぽろの方向性について、
励ましとアイデアを頂きました。

なかなかゆっくり・じっくり考えることの少ない「政治」「せんきょ」について、
せんきょCampが役立つものとなるよう、私自身努力をして行きたいと思います。

次回は7/28(日)、19:00-21:00、Coworking Cafe 36にて開催です。

こちらもお楽しみに!

第2回 教育パワーナイト、開催しました!

本日5/12(日)、第2回 教育パワーナイトを開催しました!

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会場はCoworking Cafe 36

今回のテーマは「ラジオ番組を作ってみよう!」。

Coworking Cafe 36のラジオ番組に、
あらたに北海道教育ユニットEduとしてラジオをやる企画を参加者で考えていきました。

「〜〜しながら異業種交流中継」
「人のわらしべ長者」

・・・などなど、ユニークなアイデアが飛び交うイベントとなりました!

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今日の内容をもとに、実際に企画をしていきます!

乞うご期待!