大国の衰退というテーマを学問的に研究している京都大学の中西輝政教授によれば、世界の歴史上大国というものが現れては消えて行くのが常であるという。たとえばローマ帝国、スペイン帝国、大英帝国などであるが、その衰退の時にはかならずと言ってよいほど共通する特徴が現れるという。それは財政の危機、議会制度の荒廃、官僚の腐敗、社会的現象としてのブランド志向、グルメ志向、イベント志向(ローマでは奴隷と、猛獣との闘いなどを見せて喜んでいた)、健康ブーム(人々が明日への発展に興味を持てなくなり自分の身体に興味が向いていく現象)、そして教育の荒廃である。これらのすべてが現れればその国は衰退するという。
(石角完爾, 2000, 『アメリカのスーパーエリート教育』ジャパンタイムズ, 280頁)
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