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第6回教育パワーランチ、開催!

本日4/21(日)、12:00-14:00、
Coworking Cafe 36にて第6回教育パワーランチを開催しました!

今回のテーマは「子ども一人ひとりのための教育」。

そのために「子どもの学びに学校・塾などの垣根を超えて関わっていく仕組みづくりが必要なのではないか」など、いろいろな意見が出ました。

毎回、参加者によって色が変わるのが教育パワーランチの魅力です。

今回も「アツい」議論が繰り広げられました。

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今回からは若干やり方を変え、参加者によるプレゼンも実施しました。

AEPの能正さんによるプレゼンも好評で、プレゼンをもとに議論が盛り上がるきっかけとなりました。IMG_3573

 

さて、次回は5/12(日)!

次回は「教育パワーナイト」としてお酒ありのイベントとなります。

次回のテーマは「ラジオ番組を作ろう!」。

Coworking Cafe 36でのインターネットラジオに流せるコンテンツを実際に企画をしちゃうというイベントです!

飲んで楽しみながら、企画も考える!

 

アクティブなイベントとなります!

ぜひお気軽にご参加ください☆彡

PCはアイデアを殺す道具?

さいきん、というよりここ数年、紙よりもPCでメモを取ることが多くなりました。

 

おそらく、皆さんもそういう方が多いと思います。

 

昔は起動時間が気になりましたが、MacBook Airはパッと開いてちょっとするとすぐ打てる。

実に便利なものです。

 

そのためもっぱら文字を書くのはPCで行なっています。

 

そのことに「弊害」があることに、ようやく最近、気づきました。

 

『プレゼンテーションZEN』を読んだためです。

 

世の中、見ていて眠くなる・ツラくなるプレゼンテーションが多いのはなぜか?

それをテーマに書かれた本です。

 

その理由として本書は、

〈いきなりPCでプレゼンテーションのデータを作ってしまうため〉と説明します。

 

PowerPointやKeynoteといったプレゼンテーションソフトはたしかに便利。

でも、プレゼンのやり方を考える際からいきなり使ってしまうと、

プレゼンソフトのテンプレート通り「箇条書き」だらけのつまらないプレゼンになってしまいます。

 

本書は写真の活用や「シンプル」を極めるなど、

実に実用的なテクニックが満載。

 

でも印象に残るのは、〈いきなりPCを使ってしまう〉ことの弊害の大きさ、です。

 

冒頭に書いたメモの話もそうです。

いきなりPCに打つと、その瞬間アイデアは「文字」の形に縛られます。

大体の場合、「箇条書き」の制約を受けます。

 

絵で書いたりキーワードを丸と矢印でつないだメモのほうが、

さらなるアイデアを生んだかもしれない。

・・・そんなふうに感じます。


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そんなわけで、いきなりPCにメモするのでなく、

さいきんは紙にマインドマップなりフィッシュボーン法なりで書くようにしています。

 

PCをいきなり使う時よりも、アイデアの自由度が広まったように感じます。

 

マクルーハンという学者は「メディアはメッセージである」といいました。

文字で書くか絵で書くか。

紙に書くかPCに書くか。

こういった書字形式も「メディア」である以上、

「アイデアの書き留め方」がアイデアのメッセージ性を強めも弱めもするのです。

 

この点、「アイデア」が命である職種の人は気にかけるべきかもしれません。

 

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気骨ある生き方

さいきん、明治から昭和期の実業家の本を読むのにはまっています。

出光公三、

松下幸之助、

本多静六、

渋沢栄一etc,etc.

彼らのバイタリティは、やっぱりすごいです。

「明治人の気骨」というわけではないけど、

「何もない」時代に何かをなそうとした気概。

これ、僕も欲しいなー、と思います。

人には、年寄りだとか若いとかに関係なく、誰でもわたしのように「これだけは譲れない」というところがぜひあって欲しいものである。そうでないと、人の一生というものが、まったく生き甲斐のないものになってしまう。(渋沢栄一『現代語訳 論語と算盤』

 

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こういう生き方、したいものです。

ゴールを設定しよう

この間、ある人と飲みに行きました。

地域活性化について語り合うというひととき。

その中でふと気づいたのが、「地域活性化って、何を持って言うのだろう」ということです。

 

「地域活性化」。

多くの人が言うわりに意味・狙いが「あいまい」な言葉です。

 

「地域活性化」。

コミュニティカフェを運営することが地域活性化なのか、

大卒の若者がその場で働く場所があるのが地域活性化なのか。

工業団地を誘致するのも「地域活性化」ならば、

「葉っぱを売る」のも「地域活性化」です。

 

でもみんな一緒くたにして「地域活性化」と言っています。

 

なんでも言えてしまう状態だと、「何をやっていいかわからない」になります。

 

教育についてもこれが言えます。

「教育を良くしよう」という際、

学力の全体的な引き上げをいうのか、

地域とつながる授業をすることをいうのか、

「情報科」を入試科目にすることなのか、

特別支援教育にもっと金を出すことなのか、

みんなあいまいです。

 

ゴールを決めなければ、有効な手立てが取れません。

 

逆にゴールさえ決めれば、後は簡単です。


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私の「地域活性化」とは、「大卒の若者がとりあえずその町に住んで、

住民税を納めること」をいいます。

雇用をその町に作らなくても、そこから通勤出来ればそれでよし、の立場です。

 

ここに「コミュニティ・カフェ」などを入れるから話が見えなくなります。

 

いったいゴールはどこなのか。

明確化することが必要ですね。

去りゆく一切は…

「去り行く一切は比喩にすぎない」シュペングラー

 

比喩とはつまり、想像の産物。

人間が頭でつくったもの。

 

これは「ユーモア」と同じだ。

すべてはユーモアだ。

 

去り行く一切はユーモアの一幕。

 

そう考えると、仕事の大変さも、

人間関係の煩わしさも、

観客から見た時は「楽しい」ユーモアの光景に過ぎなくなる。

 

「去り行く一切はユーモアだ」。

それこそ人間に必要なこと、だ。

あえてコミュニティ・カフェ批判〜応援の意味も込めて〜


私はCoworking Cafe 36というバーで日曜バーテンをしている。

 

その経営を考える上での最良の参考書に、今日出会った。

 

コミュニティ・カフェと市民育ち』である。

 

栃木県でコミュニティ・カフェ「ソノヨコ」の立ち上げの裏側を描いた本。

 

「ソノヨコ」はCoworking Cafe 36同様、日によって担当者が変わる「日替わりシェフ」の店。

曜日によって、店自体の名前が「Balloon」や「蓮家」などと変わる。

これら曜日によって変わる店の総称が「ソノヨコ」となっている。

 

読んでいて「なるほどなあ」としみじみ共感する。

 

「〈ソノヨコ〉の営業は、正直、予想以上にうまくいった。(…)ひとつの要素に「みんなが自腹を切っている」ことも見逃せない。

〈ソノヨコ〉に出店している店のメンバーは、バイト感覚でやっていはいない。仮にバイト感覚でやっているとすれば、誰かが時給を支払ってくれるわけではないのだから、こんなことはバカらしくてやっていられないだろう。

しかし、自分が経営者であれば別である。(…)客にそっぽを向かれると自分の腹が痛むので結果として質の維持もできる。また、責任をもって営業できるので、それぞれ創意工夫できるし、モチベーションの維持もできる」(99)

 

ただ、Coworking Cafe 36の圧倒的な違いがある。

それは「コミュニティ・カフェ」を名乗る「限界」である。

 

「コミュニティ・カフェ」は、「社会起業家になりたい!」若者が一度は通る発想である。

「キラキラ」ドリームである。

かくいう私も、Coworking Cafe 36に関わる原初的動機に「キラキラ」ドリームがあったことは否定しない。

 

「いろんな人の居場所を作る」。

なんて素晴らしい夢なんでしょう!

でも、そんなのを「コミュニティ・カフェ」につきものの「非営利」「ボランタリズム」でやる必要、本当は存在しない。

 

駅前のスターバックスコーヒーを見れば、十分いろんな人の「居場所」になっている。

いろんな人が集まるという意味ではCoworking spaceでもある。

しかもスターバックスコーヒーは「営利」としてきちんと稼いでいる。

「わたし、料理上手なの」レベルの素人が食事を出すレベルを、圧倒的に凌駕している。

 

「コミュニティ・カフェ」を名乗る限界は、この「キラキラ」社会起業意識が抜け切らないところにある。

「みんなの居場所になっているから、儲けなくてもいい」。

…やればわかるが、この動機だと全くといっていいほど店が続かない。

 

ボランティアが想像以上に「継続が困難」なのも、
「儲け主義ではない」と名乗るフリースクールが案外メンドクサイ場所であるのも、
ある意味「キラキラ」ドリームに毒されているからかもしれない。

 

「キラキラ」になると、現実が見えなくなる。

自分の可処分時間を割いている以上、疲労がたまり辛くなる。

その結果、店に対する取り組みが低下し、品質が劣化する。

 

「キラキラ」の弊害を防ぐには、「あえて営利」を名乗る価値があるのだろうと思う。

 
2Q==

こちらもどうぞ!

  1. 夢と、思いと、今の自分と。 (2)
  2. 「アンケート」に隠された、3つの法則 (2)
  3. PCはアイデアを殺す道具? (2)
  4. 就職は恋愛と同じ! (2)

「一人ひとりの声に耳を傾けます」批判〜よりよいカウンセリングのために〜

「先生が親身になって話を聞いてくれた!」

「一人ひとりの声に耳を傾けます!」

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教育現場では、あるいは人と人とが関わる現場では、

カウンセリング・マインドが求められます。

 

しかし「聞きすぎる」ことの弊害も知る必要がある、と私は考えます。

 

社会学では「ライフヒストリー」を重視する一派があります。

一人ひとりの「語り」を重視し、その意味的世界を研究するというジャンルです。

 

しかし、「構築主義」の発想に立つならば、このことは「語らせる」ことを強要するということにもなります。

人の語りは、語るたびに新たな事実が作られます。

「高校時代さあ…」と語ることって、多いですね。

高校時代のことを話す時、その場にほんとうにいなかった人がいることになり、

その話をしていなかった人が話していることになるのです。

 

困ったことに、「語ってしまう」ことで、ニセの過去を「本当のこと」と思ってしまうのです。

 

話をカウンセリングに戻します。

 

自分を「不幸だ」と感じている人に「そのまま」語らせることは、

自分を「やっぱり不幸なんだ」と再確認させる役にしか立たないのです。

 

カウンセリングは無論、大事なこと。

でも、みんなあることを無視しています。

 

それは、プロのカウンセラーが「時間を決め、金をとって」カウンセリングをしているという点です。

 

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「教員はカウンセリング・マインドが必要」といったり、
「カウンセリングの発想が大事」という時、
「無料」「無制限」のカウンセリングが求められます。

 

私はけっこう生徒や人の話を聞くのは好きだけど、
「私ってこんなに不幸なの」話を聴き続けることの問題点も感じているのです。

 

「私って、こんなことがあって、こうだから、とても不幸なの」

 

聞けば聞くほど、相手自身が「私は不幸なの」意識を高める事となってしまいます。

その問題点に自覚的であるべきです。

 




では何が大事なんでしょう?

 

おそらくは「真剣に聞く」前半と、
「考え方を変える」後半のセットが必要なんだろうと思います。

 

前半は、それこそ「カウンセリング・マインド」。

これまでのカウンセリングについての話はこの「前半」しか述べないものが多かったです。

(まあ、前半もやっていない人が多いからなんだけど)。

 

大事なのは「真剣に聞く」前半の後、相手の「考え方を変える」プロセスを後半に設置すること。

その方法は、最近勉強中の「魔法の質問」だったりするのかもしれないなあ、と考えています。

「何をやっていいかわからない」時間対策のために。

授業やイベントの際、生徒や聴衆がダレることってよくあります。

私語・ケータイを急に行い始める時間です。

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これ、別に生徒や聴衆が悪いわけではないのです。

 

前にある先生から、「何をやっている時間かわからない時間を作ってはならない」という指摘を受けました。

 

授業の終わり、生徒が騒いでいる時に、その先生はこう言いました。

「これ、何の時間?」

 

この発言ですが、すごくもっともな質問です。

 

私が「何をやっていいかわからない」時間を生徒に与えてしまっていた。
それが騒いでいる原因なんですよ。

 

その先生は教えてくれたわけです。

 

授業でもなんでも、「何をやっていいかわからない」時間があると、人はダレます。

 

レジを待つ時間、信号待ちの時間、
やることが見つからないためイライラします。

 

授業でも指示と指示の「合間」の空白の時間があると、
「ノートを取ればいいのか」「教科書を読むのか」わからず、
結果私語や立ち歩きをしちゃういます。

 

だからやるべきことは「何をやっていいかわからない」時間を出来るだけなくすこと。

 

要は「スキマ時間」を減らす、ということ。

授業もイベントも、「何をやっていいかわからない」時間があると間違い無くダレます。

 

「何をやっていいかわからない」からこそ、その不安を解消するため人は「私語」「ケータイ」をします。

人によっては「内職」をします。

 

「自然は真空を嫌う」とかつて言われました。

ある箱から空気を抜いて真空にしようとすると、必ずどこかから空気が入り、真空を作れない、という仮説です。

科学はあっさりこの仮説を乗り越えてしまいましたが、社会生活においてこの仮説はまだまだ当てはまります。

 

授業やイベントなどで「何をやっていいかわからない」時間、「何もない」時間に対し、人間は不安になります。

だからこそ、不安解消の道具として「私語」「ケータイ」を行うわけです。

 

結局は授業者や企画者の力量不足。

 

授業の流れを考えるときも、「何をやっていいかわからない」時間をなくすことって、大事ですね。

「はやく問題が出来た人は、感想をノートの下に書きましょう」

「問題集の次のページをやりましょう」

「アンケートの裏に、〈今日からできること〉を書いてください」

 

プロの教員やイベンターは、こんな指示・発問を自在に出来る人のことでもあります。

「さいしょの一人」とゴキブリホイホイ

新幹線でも特急電車でも、ワゴン販売は「さいしょの一人」が買うと、次々人が買っていく。

 

今日の札幌発-帯広行きの電車でも実感しました。

 

私が130円のコーヒーを買うと、みんな次々買っていく。

まるでゴキブリホイホイです。

 

みんな遠慮して、「さいしょの一人」になりたがりません。

売り手にとっては、ビジネスチャンスを逃してしまいます。

 

そのため、「さいしょの一人」には、支援金を出してもいいんじゃないかと私は思います。

クラウド・ファウンディングの定番・CAMPFIRE(キャンプファイヤー)も、

寄付開始前から根回しして、「さいしょの一人」として寄付してくれる人を用意するのが「定跡」だそうです。

 

個人経営の居酒屋でも、「さいしょの一人」目のお客には特別なサービスをします。

ちょっといい刺身をつけてくれることがあります。

 

それは「さいしょの一人」のお客がゴキブリホイホイ式にお客を呼んでくれることを知っているからなのです。

 

 

 

ちなみにこれ、カンパや寄付でも一緒らしいです。

 

コンビニの募金箱には始めから小銭を入れておくと、あとはゴキブリホイホイ式にお金が増える。

中身が「からっぽ」の募金箱に人はお金を入れないのです。

 

よくすすきのでは上手くもないアーティストが路上ライブをやっていますが、

彼らのギターケースにも始めから小銭と札を入れておいたほうが

「アガリ」はよくなるようです。

 

 

それにしても「ゴキブリホイホイ」、北海道では売ってないなあ。

 

ノマド・スタディ考。 〜「いつでも・どこでも」学ぶことの陥穽とその対策⑥〜

続いて、『私の早慶大合格作戦』を見ていく。

●早慶

『私の早慶大合格作戦 2012年版』

「それで行きの電車の中では英単語の勉強をしていました」「帰りは古文単語の『頻出古文重要語』(桐原書店)を使って単語を覚えていました。電車の中の時間を有効活用していましたね」(12 太田もえ)

「また、私は文化史が苦手だったので、自分でレコーダーに吹き込んで寝る前に聞いていました」(25 今村達也)

「(単語帳を」毎日のちょっとした時間を利用して覚える。
単語だけを30分や一時間かけて勉強することは退屈でなかなか集中できません。ですので、バス、電車などを待つ時間、寝る前の時間、起きた直後の時間などのちょっとした時間を使い、集中して単語を覚えることが効果的であると思います」(77 匿名希望)

「(漢文の参考書)ズボンのポケットに入るほどの大きさで持ち運びが非常に便利で、ちょっとした時間に勉強できます」(81 匿名希望)

「(注 参考書は)普通に学校で配布されるものを使っていました。1冊これ、と決めてとことんするのが好きで、お風呂や移動中など、どこへでも持ち歩いて時間を見つけて開いていました」(85 二木緑葉)

「参考書付属のCDはiPodに入れて学校への移動時間などの隙間時間を見つけて何度も聞きましょう」(96 岸利宣)

サブノートを作っていくという「この作業をたとえば一つの長文につき三個くらいのペースですすめていくと、一冊の自分のオリジナル正誤問題集が完成します。あとは、完成したら、電車の中や、ちょっとした隙間時間を利用して解いていってください」(108 早川智美)

「暗記が苦手でなかなか覚えられない、という方少なくないと思います。私自身そうでした。そこで私はICレコーダーを使いました。具体的には時代別に年号のゴロや重要用語をICレコーダーに吹き込み、通学の間に聞いていました。満員電車で身動きが取れなくても、耳で聞くことは可能ですし、五感を十分に使うことで記憶が鮮明に残るという点で効果的だったと思います」(109 早川智美)

「たとえば通学時間。電車が混雑するから勉強できない。だからしかたない。これはいけません。混雑して、単語カードもめくれないというなら、ICレコーダーを利用して、耳で覚える勉強ができます。自転車通学の人だって、赤信号を待っている間に単語一つ覚えられるはずです。他にも、携帯をいじっている時間や、テレビを見ている時間、ただダラダラ過ごしている時間など全て考慮すると、意外と、利用できる時間はたくさんあります。こういった、いわゆる隙間時間を大いに利用して、周りとの差を広げていってください」(『私の早慶大合格作戦 2012年版』:116 早川智美)

「7〜8時に起きて、朝ご飯を食べながら単語とか熟語みたいな、書く作業をしない勉強をやっていました。昼ご飯もひとりでそんな感じですごし、晩ご飯は家族と食べて、しばしの団欒、それから、勉強。寝るのは3時以降でした」(118-119 八木健太)

「例えば平日は朝4時半にマクドナルドで朝マックを食べながら勉強して、そのあと学校についたら学校の自習室で勉強して、学校の授業を受けていたんですけど、家では勉強しなかったですね。そのかわりに夜10時に寝て朝3時に起きて、自分の時間は保ちつつ勉強の時間もちゃんととっていましたね」(129 関友樹)

『私の早慶大合格作戦part1 2011年版』

「着替えるとき、ご飯や移動時間は、iPodに入れた『ターゲット1900』や『DUO』、それとICレコーダーに吹き込んだ日本史と古文単語を聴いていました。寝るときも、これを流したまま寝ます。お風呂はもちろん参考書持ち込み、トイレはプリントを壁に貼って、起きている時間はずっと勉強態勢です」(『私の早慶大合格作戦 2011年版 part1』85-86 二村萌)

参考書の紹介として「DUO セレクト CD(アイシーピー)1つの英文に重要事項がたくさん盛り込まれていて、かつおもしろい。移動中や寝る前に聴いていた」(91−92 二村萌)

「単語カードはただ『ターゲット』を写しただけでしたが、載っている意味は全部書きました。これを直前期は朝起きて、お昼の後、寝る前と一回ずつ回しました。
ノートは、過去問ノート(2回目以降、前回間違えた個所を確認できる)と自由ノート(無地の大きい自由帳に)暗記事項、まとめ、落書き、メモなどが書かれている)を主に使っていました。」(97 二村萌)

「ノート・カードを作ることで時間や体力を消耗したり、満足してしまったりするのが嫌だったので、ほとんど作っていません。参考書を何度もまわして、正誤のチェックマークをつけるくらいでした」(138 田中綾乃)

「時間とスピードを意識した勉強は、おのずと集中力につながるように思います。あと、個人的には、電車の中で勉強するのが今でも一番集中できる上に、通学などでは乗る時間が決まっているので、時間セットを体に覚えさせるのにもよいと思っています」(141 田中綾乃)

「私がこの膨大な単語量をこなすのに愛用したのは、『単語王2002』(オー・メソッド出版)という単語帳です。まずは毎日1unitのペースで1周します。このとき注意したいのが、1周し終わったころには最初のほうの単語を忘れてしまっていることです。空いた時間に以前やったページをこまめに見直すのもいいですし、覚えにくかった単語を単語カードに書きだしてそれを見直すのもいいでしょう(個人的には後者のほうがよかったのですが…)_(149 加藤勇人)

「単語帳やカードをいつやるか。これもなかなか難しい課題です。私はやり慣れた単語帳や単語カードは地下鉄やバスでやって、初めて手をつけるものは机でじっくりと時間をかけて取り組むようにしました。やはり初めて見る単語は慎重に覚えるべきです。単語を覚えられるか否かは、最初見たときに覚えたか否かに直結していると思います。最初に|単語を見たときに覚えないと、その単語に「難しい」というレッテルを貼ってしまい、その単語に対して苦手意識を持ってしまうからです。だから、初めて見る単語は慎重に時間をかけて覚えましょう」(149-150 加藤勇人)

「文法は先ほども説明したように、中澤先生の『Flash! Grammar Tips1・2』を使っていました」「その際、「My Tips」といって、小さめの手のひらサイズのノートに自分の苦手分野を項目別にまとめてピックアップすると、空いている時間にチェックすることができる|ので、効率良く覚えることができます。苦手分野は一日のうちいかに多く目を通すかで、すぐ克服できると思うので、触れる機会だけでも自分で作ってみてください」(177−178 鈴木美紀)

「直前期はその文化史のテキストをコピーして、サランラップに包んでお風呂の壁や洗面所の壁に貼り、髪の毛を洗いながら、髪の毛を乾かしながら、ひたすら食い入るように見ていました(笑)
細切れの勉強時間はあなどれません。いかに工夫して生活に取り入れるかも重要ですよ。どこでも勉強する時間を作り出してみてください。意外にも無駄にしている時間は多いものです。そこで差を少しでもつけましょう」(180 鈴木美紀)

『私の早慶大合格作戦 2011年版part2』

単語帳を「何度も繰り返しながら、よく忘れてしまう単語をノートなどに書いて、電車などの移動中にチェックなどすると、効率よく覚えられる。CDやフラッシュカードを使って、音読したながら暗記すると覚えやすくなる」(36-37 匿名希望)

「私は全教科、間違えた問題や正解していても解説を見て足り|なかったものをノートに写し、電車の移動中やバイトの休憩時間などこまめに見ていました。そもそも間違えた問題を次に出来るようにすること以外に、学力を上げる方法などないと思います」(154-155 猪又雅司)

日本史のゴロ「付属のCDを細切れ時間に聴くことで、さらに効果的に暗記することができました」(186 早瀬雄一)

『私の早慶大合格作戦 2010年版part1』

「また、私はク|ラスのDSブームにのっとって、山川出版社の日本史ソフトを買って、持ち歩いてヒマなときにやりました。常に接しているという心がけが大切だと思います」(75-76 大岩千紗)

『私の早慶大合格作戦 2009年版』

予備校ある教師の「授業はスピーディーで、ムダなものが省かれている。この何十枚もあるプリントを、私は2年間かけてじっくり覚えていった。あるときは縮小コピーしてポケットサイズにして、ちょっとした時間に見直した」(101 野村明義)

世界史の参考書について「何度もこの中のゴロには助けられました。もう一つオススメなのが、授業を録音したものを、食事中、歯みがき中などに聴くことです。|私は夏や冬に代ゼミのフレックスサテライン(諸岡先生)を取って、カセットに録音して常に聴いていました。英語と同じで、やはり暗記は何度も触れることがいちばんです」(187-188 石川昇)

『私の早慶大合格作戦 2008年版 part1』

英単語「覚え方としては、別売りになっているフラッシュカードで一日1~3ユニットを一回5・6個ずつ休み時間などに少しずつ覚えていき、次の日の朝にもう一度通して見ると効果的です」(26 猪口翔)

『私の早慶大合格作戦 2007年版 part1』

「②(注 英熟語の参考書)は暗記の助っ人というのがあって、覚えづらい熟語もわりとスラスラ入りました。CDも買い、電車の中で聞いていました」(49 石渡健輔)

「ちなみに憲法は夏休みに毎日お風呂で暗唱して覚えました。政経はこの方法で模試では最高偏差値77までいきました」(85 市原弘規)

「私はiポッドにリスニングのCDをすべてまとめ、移動時間中に聞いていました。単語帳の音読CDなどもiポッドに入れておくと持ち運びが便利ですし、無駄な時間を節約できます」(126 石井誠)

「私はこの問題集を、いつもフラッシュカードと一緒にポケットに入れていました。空いた時間、休み時間や待ち時間にも勉強できるようにです」(176 村山天生)
古文単語帳「これはCD付属のもあり、私はMDに入れ、自転車での通学、通塾時にずっと聴いていました」(180 村山天生)

ここまで『私の東大合格作戦』と『私の早慶大合格作戦』を見てきた。
さて、ここから見えてくるのは受験生の「ノマド・スタディ」の手法の特徴である。

1,ノマド・スタディは「情報カード」「サブノート」「ミニノート」に暗記事項を書くことによって為される行為である。

2,東大合格者よりは早慶合格者のほうが「ノマド・スタディ」記述が多い。

3,2はブルデューの言うところの「ディスタンクシオン」の違いである。つまり、一見泥臭さのある「ノマド・スタディ」(=いつでも・どこでも学習)記述は「スマートさ」のある文化貴族である東大合格者の合格体験記では「敬遠」され、逆に早慶合格者には自己の努力資本を示すものとして賞賛される結果となる。

この1〜3から読み取れるのは、「ノマド・スタディ」の格差性である。東大合格者のほうが「スマート」な「ノマド・スタディ」記述となっている。

参考文献

浅田彰, 1983, 『構造と力――記号論を超えて』勁草書房.
『千のプラトー』
中谷健一, 2010, 『「どこでもオフィス」仕事術――効率・集中・アイデアを生む「ノマドワーキング」実践法』ダイヤモンド社.
和田(1994):受験勉強マニュアル
斉藤日出治, 1999, 『ノマドの時代[増補版]――国境なき民主主義』大村書店.
高島徹治(2007):『もっと効率的に勉強する技術!』 すばる舎 (2007/7/20)
佐々木俊尚, 2009, 『仕事をするのにオフィスはいらない――ノマドワーキングのすすめ』光文社.
竹内洋(1991):『立志・苦学・出世』講談社。