2016年 4月 の投稿一覧

イケダハヤト『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』。

イケダハヤトさんのブログタイトルをそのまんま本にしてしまったのが本書。

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イケダハヤト, 2016, 『まだ東京で消耗してるの?
環境を変えるだけで人生はうまくいく』幻冬舎新書。

☆こちらからお求め頂けます。

この前の記事でも書いたとおり
松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』)、
イケダハヤトさんは私が勝手に「ロールモデル」としている方です。

 

再掲します。

いま北海道・札幌市で4/7開業の塾設立に向けて動いています。

そんな私が勝手に「ロールモデル」としている人がいます。

それがイケダハヤトさん。

日本の元首相・池田勇人と名前がかぶるので、
あえてカタカナにしているプロブロガー。

 

イケダハヤトさんは、1986年生まれ。
早稲田大学政治経済学部2009年卒業。

私は1988年生まれ(早生まれ)で、
早稲田大学教育学部2010年卒業。

リアルに、同じ時期に、同じキャンパスにいたことになります。(密かな自慢)
(注 文学部を除く純粋文系の学部は、「西早稲田キャンパス」《現 早稲田キャンパス》にありました)

東京を捨てて「高知県」の「限界集落」に引っ越したイケダハヤトさんは、
教員時代から私のあこがれの人でした。

Z☆イケダハヤトさんの本の中でも、『新世代努力論』は「何を頑張るか」悩んだ時に役立つ本です。

 

私も、私立高校就職を機に東京を捨てて「北海道」に引っ越したからです。

 

いま私が住んでいる「札幌」を「地方」と言ってしまってもいいのかどうか微妙ですが、【北海道・札幌から日本の教育を面白く!】という私の目標にはゆらぎはありません(多分)。

松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』

このイケダハヤトさん、ネット関係者には有名なのですが、
あいにく私が先月までいた北海道帯広市ではあまり知られていませんでした。

例)読書イベントの際、「最近読んでいる作家は?」の質問に「イケダハヤト」と答えると、
「昔の首相?」としか返答がありませんでした。

 




さて、そんなイケダハヤトさんが運営するWebが「まだ東京で消耗してるの?」。

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この挑発的なタイトル、私は好きです。

ただ、『新世代努力論』からイケダハヤトさんを知った者として、
「この人、こんなに挑発する人だっけ?」感を持ってしまったのは事実です。
(『新世代努力論』は「いい人」感を全面に出している本でした)

実際、東京には「消耗」させる要素がたくさんあります。

(1)移動時間ばかりの東京

東京では移動時間という人生の無駄遣いから逃れられない(22)

ぼくが東京を離れたのは、移動に嫌気がさしたからです。毎日毎日、移動してばっかりでやるべきことに集中できないんですもの。
「移動時間の無駄」に気づいていない人は仕事ができない、とぼくは常々断言しています(ブログでこれ書いたら炎上しました。が、結論は変わりません)。
移動に時間とエネルギーを費やしてしまう以上、成長ペースは鈍化し、仕事のパフォーマンスも改善せず、年収は上がりません。当たり前の話です。毎日2時間以上、ドブに捨てているわけですから。(22-23)

私も東京にいた人間です。
東京はどこにいくにも車は渋滞。
おまけに、23区内だけでも一つひとつの場所が地味に遠い、という不便な場所です。

例)新宿で会議の後、渋谷で打ち合わせをして、六本木にいき、新小岩の自宅に帰る
(これだけで移動時間が1時間を超える)

「ローカル」モデルとして北海道の札幌市を出すと、札幌は「コンパクトシティ」の代表のような場所。

基本、「札幌駅」「大通駅」「すすきの駅」の3つだけで仕事ができます

札幌の市営地下鉄の路線図がありますが、仕事で使うのはほぼこれくらいです↓。

subway-line-2しかもこの3駅、地下鉄ですぐ行けるほか、
徒歩20分でつながっています。
しかも「地下街」で連結しているんです(大雪でも安心!)。

この3駅のそばに住んでしまえば、そもそも移動が限りなくゼロになります。
さて、北海道の人に話して「えっ!」と言われるのは、「新幹線通勤」をするサラリーマンがいるということです。

「そうまでして会社に通って何するの?」とよく反応が返ってきました(北海道新幹線開通前の反応です)。

「移動」だけで東京は「消耗」させる場所なんですね。

他にも〈「事前の打ち合わせ」という東京的儀式〉(28頁)のように、
移動を誘発する仕組みが大量にあります。

 やはりこれも、人が多すぎるからなのです。意味のない会議に参加しているだけで、偉い人に説明をしているだけで、仕事した気分になる。実際、何も世の中は変わっていないのにも拘わらず。こんなやり方でうまく収益を上げられるわけがありません。(・・・)
言わずもがな、高知に移住してからは「打ち合わせのための打ち合わせ」なんてものは完全に縁遠くなりました。人が少ない地方は、何をするにも話が早くて助かります。
(29-30)

冬の時期、北海道では便利なことに「雪がひどくて車が掘り返せません」で
打ち合わせを休むという裏ワザがあります。
(北海道では「車が埋もれる=休める」という裏ルールが存在します)

雪が少ないと有名な帯広でさえ、昨冬は5回くらいこの裏ルールが発動するほどの雪が降りました。

 




(2)地方のほうが稼ぎやすい

地方では「雇用」は少ないけれど、「仕事」は山のようにあります。どういうことかというと、一つの仕事で数万円程度が稼げる「小さな仕事」がたくさんあるんですよ。ぼくが高知に来て発見したものでいうと、
・収穫アルバイト(コメ、ゆず、オクラなど)
・草刈りアルバイト(実際、時給1000円でやりました)(・・・)
などなど、「そんな仕事があるのか!」と目からウロコの「小商い」が無数にあります。一つの仕事で食べていくのは難しくても、「複業」でやっていくことが前提なら、田舎に行っても十分メシを食うことは可能です。(56)

この部分、私も札幌で参考にしたい点です。

月3万円ビジネス 100の実例』という本も、そういった「地方ならでは」の仕事にあふれています。

「大儲け」できる仕事は地方には少ないですが、
「3万円だけ稼げる」仕事が無数にあるというのが面白いところです。

2Q==☆『月3万円ビジネス 100の実例』。「ウコッケイを飼って、卵を売る」など、
「おもしろ」系のビジネス満載です。

「小商い」や「複業」の発想は私の書評にも書いています。
松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』

また、こういった「小商い」「複業」以外でも、
地方のほうが「頭角を現す」のはラクだと思います

例えば、いま全国的に「やりつくされ」感がある「ビブリオバトル」。
本の書評を行うというイベントです。

東京だったらどこでも「やられている」定番イベントですが、
北海道ではまだまだ。

帯広市図書館でやっていた「ビブリオバトル」も、
「新参者」の私が実質運営を行うことができてしまいました

例)ビブリオバトル帯広のイベント

東京だったら、なかなか入り込めません。

東京で流行っているものを、アレンジして持ってくる「だけ」でも、
「その分野の第一人者」になれてしまう環境があります。

これ、北海道に来てから私がすごく実感するところです。

その意味で、「あえて東京を離れる」選択はアリだな−、と身を持って感じています。

 何かというと、大きな資本主義システムが回っていない地方には、「東京だったら絶対誰かがすでにやっているビジネス」が、手つかずのまま残されているんです。「どぶろくのネット販売」なんてどう考えても儲かるわけで、誰かやっているはずなんですよ。でも、地方にはネットに詳しい人もいないので、価値のあるものがネットの海に船出していないのです。21世紀だというのに。(136)

 

さて、本書『まだ東京で消耗してるの?』にはまだまだ紹介しきれないことが多数掲載されています。

本書は私のように「ローカル」(札幌を「ローカル」と言って良いのかは賛否両論ですが)で活躍したい若者(私をまだ「若者」と言っていいのかも賛否両論がありますが)にとっての必読書です。

私の目標は「北海道から、日本の教育を面白く!」。
そのための「座右」にしたいと思います。

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イケダハヤト, 2016, 『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』幻冬舎新書。
☆こちらからお求め頂けます。

大平レポート⑦ 議員さんって、どうやって一般質問をつくっているの?

〜大平亮介さんのFBからの記事です〜

過去の議事録を読み返すとその議員の得意分野、関心のある分野というものがなんとなくわかってきます。

介護、福祉、防災、教育、男女共同参画などなど。

僕が気になるのは、議員さんがなんでその分野に興味関心があり、質問で取り上げるのかです。


そういう意味で一般質問は議員さんの個人的な背景をよく反映していると思います。


一般質問とは、あらかじめ通告した内容を、所定の持ち時間以内で、議員が執行者側に対して行うものです。

そこで考えたのですが、一般質問をつくる段階で市民にも参加してもらうというのも面白いのではないかと思うのです

議員の任期は4年、定例会は年4回と考えると、かなりの地域課題を一般質問で取り上げることができます。



わが市(帯広市)の場合、1人の議員の質問時間は1時間なので、そのなかで一つ市民と一緒につくった一般質問があっても良いと思います。

質問に関する資料を集めたり、他の自治体の事例などをリサーチし、市民と一緒に説得力のある質問を練り上げていくのもすごくいい勉強になります。
なにより議会に対する関心がぐっと高まると思います。

若い人ならワークショップ形式で一般質問をつくってみてもいいですし、市民では得ることが難しい一次情報に関する資料を議員名義でお願いすれば、手に入りやすいでしょう。

図書館もフル活用して資料を集めれば、すごく深みのある一般質問をつくることもできると思います。

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大平レポート⑥ ロビイングの方法を知ろう!

〜大平亮介さんのFBからの記事です〜

社会起業家として有名な駒崎弘樹さんの新刊を読んで、ロビイングの方法について勉強になったことをまとめてみました。

審議会、委員会、協議会に入って地域課題の解決に取り組むというのも一つの方法として有効だと思います。

大きいのは審議の内容が報告書などにまとめられて、それを基に政策立案されることです。

住んでいる自治体で委員を公募していることもあるかと思うので、応募してみるのも楽しいかもしれませんね!

大平 亮介さんの写真

おおたとしまさ『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』③

前の記事の続きです。
前の記事はこちら

本書『ルポ塾歴社会』では、【サピックス小学部→鉄緑会】というコースをたどった人たちへのインタビュー記事が前半部分を占めます。

このインタビュー記事の部分。
なんというか・・・。

 

 

前回も書いたとおり、
「いまいちピンとこない・・・」感満載です。

それは私が「中学受験って、なんですか?」という片田舎に育ったことも大きいです。

どうも「首都圏の子どもは大変だなあ・・・」という思いを持つ本でした。

「大学に入るまで塾に頼り切る生き方は、もしかしたら私から、何かを深く思考する能力を奪ったのかもしれないとおもうことがあります。もともとそういうことがニガテだったのかもしれませんが、そのことに目を向けず、お山の大将に慣れてしまうシステムなのかもしれません。そういう生き方が向いている人も必ずいるわけですから、それが一概に悪いことだとも言えませんが」(45)
(桜蔭→東大文Ⅰ→東大ロースクール→弁護士の女性へのインタビュー)

 

小学生のうちは、目標の学校に入るためにどれだけの学力が必要で、そのためにどれだけの努力をしなければいけないのかなど、子供本人がわかるはずもない。塾の指導に右向け右になることはやむを得ない。しかし、それが強烈な成功体験として刻まれ、中学・高校生になっても塾に頼り切りになってしまうと、主体的な学習習慣を身につける機会が奪われてしまうのかもしれない。(45-46)

そして、【サピックス小学部→鉄緑会】という黄金ルート日本のエリート教育をある意味「固定化」「制度化」させてしまう危険があることを本書『ルポ塾歴社会』は危惧しています。

 

その一つが〈サピックス小学部のほうが、名門中学校の入試問題に対し「こんな設問をしている限り、うちの塾からはその中学校への進学を勧められない」というクレームが入る〉とということかもしれません。

 

ただ、本来的に塾は「学校で足りないこと」「学校でできないこと」を補う働きをしてきています

塾の生徒からも、「学校の授業はつまらない。だけど、友だちと遊べるから学校に行っている」という言葉を聞くことがあります。

「塾のほうがわかりやすい」という声も聞きますし、
「これって、こういう意味だったんだ!」という素朴な感動を、
塾で授業をしていて共有することもあります。

 学校とは別に塾という学びの場があることで、子供たちは自分に合う学習スタイルを見つけたり、より多角的な刺激を受けたりできるのである。
「学校歴×塾歴」で、教育のバリエーションが無数に増える。日本の学校制度が平等で画一的であったからこそ、教育の多様性をもたらすために、塾という「変数」が自然発生したようにも私には見える。(146)

 

その意味で、塾と学校は決して敵対しないもの。
同じ子どもを、違う立場からサポートしていけるものなのです。

 逆に言えば現在は、塾があるからこそ、学校は学校でいられる。目先の大学合格だけでなく、生徒一人ひとりの人生の20年後、30年後をも見据えた本質的な教育に力を注ぐことができる。だから学校の多様性も担保される。その意味で、塾は学校教育を陰で支えるパートナーなのだ。(144)

 

かつて、札幌で塾を運営する能正章寛さんという人は「塾は学校と地域・家庭の究極の裏方」という名言を述べていました(いまも述べています)。

教育という点で、子どもを「究極の裏方」としてサポートしていけるのが塾である、という観点です。

本書を読んで再確認した気がします。

☆たまたま見つけた「札幌人図鑑」の動画より。

 

公教育が「与えられた教育」であるとするならば、民間教育は「自ら求める教育」と言える。その2つがあることで、日本の教育は常にバランスを保ち、かつ、柔軟に進化し続けることができた。これは世界でもまれに見るハイブリッドな教育システムなのである。(145)

札幌で新たに作文教室ゆうをはじめる者として、「世界でもまれに見るハイブリッドな教育システム」を支える一員になりたい、と思っています。

 

 

 

さて、この『塾歴社会』を元に、4/9(土)に読書会を開催します。

【Facebookイベントページ】『ルポ塾歴社会』読書会

4/9(土)22:00-23:00、会場は札幌市営地下鉄「幌平橋駅」徒歩5分の
個別学習塾はる】です。

ぜひ本書片手に語り合いませんか?

ご参加お待ちしています!
(参加希望の方はこちらからご連絡ください)

おおたとしまさ, 2016, 『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』(幻冬舎新書)。
2Q==☆こちらからお求め頂けます。

大平レポート⑤ 当事者が「声」を上げるということ

〜大平亮介さんのFBよりの記事です〜

読んだ本のなかで勉強になったことがあるので書きます。

社会的に弱い立場にある人やマイノリティの人たちが抱える社会的な課題は可視化されにくいといわれています。

なぜならば、当事者が声を上げて現状を伝えることが難しいからです。
社会的課題として認知されなければ放置され解決策が生まれません。

そのため、社会的課題として認知度を高め、解決すべきという世論を育てる必要があります。
世の中には少子高齢化の問題、介護の問題など、優先順位の高いものから着手される傾向にあります。行政や議員が優先順位を決める傾向は2つあります。

① 質的要素
・今すぐ支援が必要なことか?(優先度)、命に関わることか?(深刻度)といった要素

② 量的要素
・「どれくらい困っている人がいるのか?」「どれくらいニーズがあるのか?」といった量的な要素。

これら2つの要素を勘案して社会的な課題解決の優先順位を決めていると考えられます。
つまりマイノリティに関する社会的な課題でもこの2つの要素を補強する証拠を整えることができれば、希望がみえてきます。

例えば、僕が取り組んでいるLGBTに関する問題の場合、当事者は人口の3~5%存在するといわれています。

クラスに1~2人いる計算ですが、社会的な無理解やカミングアウトの有無などによって存在が見えにくいといわれています。
つまり当事者の声を聞くことが難しいということです。
研修や勉強会でこのことを話すと「そんな人いるの?はじめて聞いた」という反応が返ってくるが多いです。

いま考えているのが、道内に住む当事者の方にTwitterなどの匿名性が高いツールで学生時代の困りごと、うれしかったことなどの事例を集めようと考えています。これが質的要素を高めることに役立てます。

なぜ、道内で調査するかというと課題への距離感をぐっと縮めるためです
たとえば、「アメリカの○○州の当事者から話を聞いて事例集にまとめました!」というよりも「学生時代を道内で過ごしたLGBT当事者の方に当時困っていたことを聞いて事例集にしました!」のほうがよっぽど課題が身近になります。

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参考文献:明智カイト『誰でもできるロビイング入門』光文社新書,2015
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大平レポート④ アイスブレイク・ゲームをやってみよう!

〜大平亮介さんのFBからの記事です〜

初対面の人と話すのって緊張しますよね。
とくにあんまり知らない人が集まって話す場だとなおさらです。

そんなときに役立つのが「アイスブレイク」というゲームです。
アイス=氷、ブレイク=壊す、を合わせたことばで、緊張した雰囲気を和らげるために行います。

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今の時期だったら新入社員の研修、新入生のレクリエーションなどに使えます。

たとえば、初対面同士の名前とその人の特徴を覚えるのに役立つアイスブレイクがあります。

■名前を覚えるアイスブレイク
・参加者の名前を自己紹介に付け足して全員の名前を覚えるアイスブレイクです。
たとえば、「〇〇です」→「○○さんの隣の○○です」→「○○さんの隣の○○さんの隣の○○です」といった感じにどんどん名前を付け足していきます。
「名前+好きなこと、もの」を入れると、その人を印象づけることができるのでオススメです。

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■座り方は車座で
・よりアイスブレイクを効果的に行うには座り方のちょっとした工夫が必要です。
対面式に座ると緊張するので、参加者全員の顔が見えるように車座(サークル)になります。
こうすることで話を聞こうという雰囲気が共有されます。

ビブリオバトルやワークショップを行う前に行うと経験上、すごく効果的ですのでぜひ試してみてください!

9k=-1☆こちらからもお求め頂けます。

大平レポート③ 「一般質問」のつくりかた。

〜大平亮介さんのFBからの記事です〜

市民協働、市民自治の実現の一つの方法として一般質問を一緒につくることが挙げられます。そこで一般質問の組み立て方をまとめてみました。

■方法として
議員さんとの意見交換会などを通して一般質問の問いを立てることもあるので、会に参加して意見を伝えることもできます。

また、地方議員さん一人で質問に関連する資料や先進事例を集めたり、内容をまとめることは手間もかかりますので、リサーチを手伝うと助かるのではないかとおもいます。
このように一般質問を組み立てるさまざまなお手伝いすることができます。

どの組織を支持するとかは関係なしに、純粋に自分が解決したい課題と類似する一般質問を過去にした議員さんとコンタクトをとるのも一つの手だと。

大平 亮介さんの写真

おおたとしまさ『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』②

前の記事の続きです。
前の記事はこちら

 

この4月から作文の塾を開設する私にとって、本書『ルポ塾歴社会』は参考になる1冊でした。

ハッキリ言うと、北海道では「サピックス」(SAPIX)も「鉄緑会」もほとんど縁がありません。
(サピックスは「北大増進会」内にSAPIXメソッドコアマスターというコースがあったり、代々木ゼミナールと合同で「Y SAPIX」を運営していますが・・・)

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学力危機北海道』ではありませんが、北海道は全国的にみて「低学力」が問題とされています。

9k=☆こちらからお求め頂けます。

札幌はともかく、私が先月まで居た北海道帯広市はまだまだ「受験競争が激しい」とは言いがたい雰囲気の場所です。

受験熱、特に中学受験熱なんて首都圏と関西のみのもの・・・
本書『ルポ塾歴社会』を読んでも「ああ、そんなことがあるのね」という「関係ない感」をもってしまいます。

 

そのため、サピックスや鉄緑会についての話よりも「第4章 塾歴社会の光と闇」が一番勉強になりました。

 

某有名進学校の校長はこう言う。「私たちが高校生だったころは、高3になると、東大に合格した先輩の家に行って、勉強方法を教えてもらい、先輩が使っていた問題集をダンボールごとごっそり譲り受けて受験勉強をしたものです。それが学校の伝統でもありました。しかしいつしか塾が台頭し、いつまでにどの問題をやればいいのかをすべて指示してくれるようになってしまった」
そうなれば、プロの力を借りたほうが有利になるのは当たり前である。それを突き進めた先に、塾歴社会」があった。(141)

かつて、受験勉強の際は次の自問自答をしながら勉強をすすめるものでした。

「自分はどこを目指すか、自分はどの教材を使い、自分はどんな計画のもと受験勉強をするか」

いま、これを自分で考えることを放棄する受験生が多い気がしています。

自分で考えないからこそ、塾・予備校を「ペースメーカー」として使うことになります。

例)「数学は高3の夏までに全分野一通り終わらせられるよう、カリキュラムを組んでいます」

そうなると、自分で考えることは「ペースを乱すこと」になります。

下手に自分で考えて「別にいま数学をやんなくてもいいんじゃないか」とすることは「危険」(=不合格)な発想になるのです。

 

これこそ、思想家イバン・イリイチが語った「制度化」です。

2Q==-1☆イバン・イリイチ研究の第一人者、山本哲士の本。

自分で考え、自分で勉強する力がなくなり、
「塾/予備校」という「制度」がいうことを無目的に信じ、行動するようになるのです。

当然、自分で考えて受験勉強を進めると「うまくいかない」「一生懸命やったけど、志望校に落ちた」という結果もありえます。

【サピックス→鉄緑会ルート】の若者を描いた『ルポ塾歴社会』では、保護者の声として、息子が「第1志望合格を逃したことを、今でも自分の判断ミスだったと悔やんでいる」(78)との記述があります。

受験生自体が「自分の失敗だ」と捉え、「じゃあ、次はこうしよう」とはせず、単に「判断ミス」として親が「悔やむ」構造もあるのです。

また、サピックスも鉄緑会も、超スピードで進みます。
「ふつうの子」ならついていくのに一杯いっぱい。
その結果、学校の勉強も塾の勉強も中途半端という生徒も出てしまいます。

どこかで、「じゃあ、サピックスを辞めて、自分はあの塾でまた頑張る」「別のやり方を試してみる」をすればいいのですが、それをできず、やり続けてしまう。

ある意味ですごく素直です。

言われたことを純粋にただやる。

「地頭」のいい受験生なら「まあ、適当に手を抜くけど一応やっておくか」と相対化できます。

そうでない「ふつうの」受験生なら、それこそ学校の授業中に塾の宿題を必死にやるという「イタイ」ことをしてしまいます。

かつての「自分で考える」主体性を求められていた受験勉強に、
塾による「制度化」がはじまっているのです。

続きます
続きはこちらからどうぞ!

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☆『ルポ塾歴社会』。こちらからお求め頂けます。

 

おおたとしまさ『ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体』①

兵庫県の片田舎出身の私。

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そんな私が東京の私立高校に進学したときのこと。
その時は、首都圏の圧倒的エリートが通う「筑波大学附属駒場高校」も知らなければ「開成高校」も知らず、中高一貫校というものがあることも東京で初めて知りました。
(もっといえば「中学受験」という制度や「国立の高校」の存在も知りませんでした)

首都圏のみ、異常に受験熱が高いことに【がく然】としたものでした。

私は、中・高・大一貫教育(もっというと「小」からも)の場所に高校から入っています。

そのため、「生まれも育ちも関東」で、なおかつ「中学受験を経験している」「中学からの持ち上がり組」の同級生から、高1のときの私はどう見られていたのか、いまさら怖くなります。

兵庫の片田舎とは受験のルール自体、違っていたのですから・・・。

 

さて、本書『ルポ塾歴社会』は、首都圏(一部、関西も)の「究極のエリート教育機関」となっている2つの塾についてまとめた本です。

 東大合格者数ランキングの上位に名を連ねる学校のほとんどは、私立もしくは国立の中高一貫校。2015年の上位を挙げれば、開成、筑波大学附属駒場、灘、麻布、駒場東邦、桜蔭、聖光学院など。
これらトップ校に入るための中学受験塾として圧倒的なシェアを誇り、ひとり勝ち状態にあるのが「サピックス小学部」だ。そしてこれらトップ校の生徒たちが大学受験のためにこぞって通うのが「鉄緑会」えある。つまり、「サピックス小学部」の上位クラスの子供たちがトップ校に合格し、入学後は「鉄緑会」に入るという流れができている。(・・・)
東大合格率ナンバーワンの筑波大学付属駒場中学受験合格者数に占める「サピックス小学部」出身者の割合は、2015年で7割を超えている。また大学受験の最難関である東大理Ⅲ(医学部)の合格者のうち6割以上が「鉄緑会」出身者で占められている。
たった2つの塾が、この国の「頭脳」を育てていると言っても過言ではない。「学歴社会」ならぬ「塾歴社会」である。(3-4)

兵庫の片田舎にはそもそも「中学受験」なんて選択肢は事実上、ありませんでした。

にもかかわらず、「中学受験」の「名門」に受かるための塾があり、
その塾のエリートたちが再び「東大」合格のために入る塾がある。

恐ろしい現実があるなあ、と実感をしました。

その存在が何をもたらしているか、本書『ルポ塾歴社会』では述べられています。

詳しくは「続き」を!
続きはこちらからどうぞ。

2Q==☆『ルポ塾歴社会』。こちらからお求め頂けます。

 

 

 

大平レポート② ビブリオバトルって、知ってますか?

〜大平亮介さんのFBよりの記事です〜

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ビブリオバトルというゲームをご存知でしょうか?
本の紹介を通してコミュニケーションを深めるのに最適なツールです。

ルールは簡単です。
① 読んで面白いと思った本を持ち寄ります
② 順番に1人5分間で本の内容を紹介します。
③ 発表後に2~3分間で本の内容を共有します。
④ 最後に発表を聞いて「一番読みたくなったか」を基準に一人一票で投票を行います。
⑤ 最多票を集めた本を「チャンプ本」とします。

コンセプトは「本を通して人を知る、人を通して本を知る」。
本の紹介を通してその人の思考や性格を垣間見ることができます。また、好きな読書のジャンル違う人から紹介される本は刺激的です。

だからビブリオバトルは面白いのだと思います。
参加者と一冊の本があれば、どこでもできますし、さらに相互理解も深まります。

帯広でも、実は実施中!

次回は4/21(木)開催します!(毎月第3木曜日19:00-20:30に開催中)
ぜひ会場の帯広市図書館まで!!!

イベントページはこちらです!!!