イケダハヤト『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』。

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イケダハヤトさんのブログタイトルをそのまんま本にしてしまったのが本書。

2Q==-1

イケダハヤト, 2016, 『まだ東京で消耗してるの?
環境を変えるだけで人生はうまくいく』幻冬舎新書。

☆こちらからお求め頂けます。

この前の記事でも書いたとおり
松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』)、
イケダハヤトさんは私が勝手に「ロールモデル」としている方です。

 

再掲します。

いま北海道・札幌市で4/7開業の塾設立に向けて動いています。

そんな私が勝手に「ロールモデル」としている人がいます。

それがイケダハヤトさん。

日本の元首相・池田勇人と名前がかぶるので、
あえてカタカナにしているプロブロガー。

 

イケダハヤトさんは、1986年生まれ。
早稲田大学政治経済学部2009年卒業。

私は1988年生まれ(早生まれ)で、
早稲田大学教育学部2010年卒業。

リアルに、同じ時期に、同じキャンパスにいたことになります。(密かな自慢)
(注 文学部を除く純粋文系の学部は、「西早稲田キャンパス」《現 早稲田キャンパス》にありました)

東京を捨てて「高知県」の「限界集落」に引っ越したイケダハヤトさんは、
教員時代から私のあこがれの人でした。

Z☆イケダハヤトさんの本の中でも、『新世代努力論』は「何を頑張るか」悩んだ時に役立つ本です。

 

私も、私立高校就職を機に東京を捨てて「北海道」に引っ越したからです。

 

いま私が住んでいる「札幌」を「地方」と言ってしまってもいいのかどうか微妙ですが、【北海道・札幌から日本の教育を面白く!】という私の目標にはゆらぎはありません(多分)。

松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』

このイケダハヤトさん、ネット関係者には有名なのですが、
あいにく私が先月までいた北海道帯広市ではあまり知られていませんでした。

例)読書イベントの際、「最近読んでいる作家は?」の質問に「イケダハヤト」と答えると、
「昔の首相?」としか返答がありませんでした。

 




さて、そんなイケダハヤトさんが運営するWebが「まだ東京で消耗してるの?」。

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この挑発的なタイトル、私は好きです。

ただ、『新世代努力論』からイケダハヤトさんを知った者として、
「この人、こんなに挑発する人だっけ?」感を持ってしまったのは事実です。
(『新世代努力論』は「いい人」感を全面に出している本でした)

実際、東京には「消耗」させる要素がたくさんあります。

(1)移動時間ばかりの東京

東京では移動時間という人生の無駄遣いから逃れられない(22)

ぼくが東京を離れたのは、移動に嫌気がさしたからです。毎日毎日、移動してばっかりでやるべきことに集中できないんですもの。
「移動時間の無駄」に気づいていない人は仕事ができない、とぼくは常々断言しています(ブログでこれ書いたら炎上しました。が、結論は変わりません)。
移動に時間とエネルギーを費やしてしまう以上、成長ペースは鈍化し、仕事のパフォーマンスも改善せず、年収は上がりません。当たり前の話です。毎日2時間以上、ドブに捨てているわけですから。(22-23)

私も東京にいた人間です。
東京はどこにいくにも車は渋滞。
おまけに、23区内だけでも一つひとつの場所が地味に遠い、という不便な場所です。

例)新宿で会議の後、渋谷で打ち合わせをして、六本木にいき、新小岩の自宅に帰る
(これだけで移動時間が1時間を超える)

「ローカル」モデルとして北海道の札幌市を出すと、札幌は「コンパクトシティ」の代表のような場所。

基本、「札幌駅」「大通駅」「すすきの駅」の3つだけで仕事ができます

札幌の市営地下鉄の路線図がありますが、仕事で使うのはほぼこれくらいです↓。

subway-line-2しかもこの3駅、地下鉄ですぐ行けるほか、
徒歩20分でつながっています。
しかも「地下街」で連結しているんです(大雪でも安心!)。

この3駅のそばに住んでしまえば、そもそも移動が限りなくゼロになります。
さて、北海道の人に話して「えっ!」と言われるのは、「新幹線通勤」をするサラリーマンがいるということです。

「そうまでして会社に通って何するの?」とよく反応が返ってきました(北海道新幹線開通前の反応です)。

「移動」だけで東京は「消耗」させる場所なんですね。

他にも〈「事前の打ち合わせ」という東京的儀式〉(28頁)のように、
移動を誘発する仕組みが大量にあります。

 やはりこれも、人が多すぎるからなのです。意味のない会議に参加しているだけで、偉い人に説明をしているだけで、仕事した気分になる。実際、何も世の中は変わっていないのにも拘わらず。こんなやり方でうまく収益を上げられるわけがありません。(・・・)
言わずもがな、高知に移住してからは「打ち合わせのための打ち合わせ」なんてものは完全に縁遠くなりました。人が少ない地方は、何をするにも話が早くて助かります。
(29-30)

冬の時期、北海道では便利なことに「雪がひどくて車が掘り返せません」で
打ち合わせを休むという裏ワザがあります。
(北海道では「車が埋もれる=休める」という裏ルールが存在します)

雪が少ないと有名な帯広でさえ、昨冬は5回くらいこの裏ルールが発動するほどの雪が降りました。

 




(2)地方のほうが稼ぎやすい

地方では「雇用」は少ないけれど、「仕事」は山のようにあります。どういうことかというと、一つの仕事で数万円程度が稼げる「小さな仕事」がたくさんあるんですよ。ぼくが高知に来て発見したものでいうと、
・収穫アルバイト(コメ、ゆず、オクラなど)
・草刈りアルバイト(実際、時給1000円でやりました)(・・・)
などなど、「そんな仕事があるのか!」と目からウロコの「小商い」が無数にあります。一つの仕事で食べていくのは難しくても、「複業」でやっていくことが前提なら、田舎に行っても十分メシを食うことは可能です。(56)

この部分、私も札幌で参考にしたい点です。

月3万円ビジネス 100の実例』という本も、そういった「地方ならでは」の仕事にあふれています。

「大儲け」できる仕事は地方には少ないですが、
「3万円だけ稼げる」仕事が無数にあるというのが面白いところです。

2Q==☆『月3万円ビジネス 100の実例』。「ウコッケイを飼って、卵を売る」など、
「おもしろ」系のビジネス満載です。

「小商い」や「複業」の発想は私の書評にも書いています。
松永桂子『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』

また、こういった「小商い」「複業」以外でも、
地方のほうが「頭角を現す」のはラクだと思います

例えば、いま全国的に「やりつくされ」感がある「ビブリオバトル」。
本の書評を行うというイベントです。

東京だったらどこでも「やられている」定番イベントですが、
北海道ではまだまだ。

帯広市図書館でやっていた「ビブリオバトル」も、
「新参者」の私が実質運営を行うことができてしまいました

例)ビブリオバトル帯広のイベント

東京だったら、なかなか入り込めません。

東京で流行っているものを、アレンジして持ってくる「だけ」でも、
「その分野の第一人者」になれてしまう環境があります。

これ、北海道に来てから私がすごく実感するところです。

その意味で、「あえて東京を離れる」選択はアリだな−、と身を持って感じています。

 何かというと、大きな資本主義システムが回っていない地方には、「東京だったら絶対誰かがすでにやっているビジネス」が、手つかずのまま残されているんです。「どぶろくのネット販売」なんてどう考えても儲かるわけで、誰かやっているはずなんですよ。でも、地方にはネットに詳しい人もいないので、価値のあるものがネットの海に船出していないのです。21世紀だというのに。(136)

 

さて、本書『まだ東京で消耗してるの?』にはまだまだ紹介しきれないことが多数掲載されています。

本書は私のように「ローカル」(札幌を「ローカル」と言って良いのかは賛否両論ですが)で活躍したい若者(私をまだ「若者」と言っていいのかも賛否両論がありますが)にとっての必読書です。

私の目標は「北海道から、日本の教育を面白く!」。
そのための「座右」にしたいと思います。

2Q==-1

イケダハヤト, 2016, 『まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく』幻冬舎新書。
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