2012年 7月 の投稿一覧

簡単に学校を作るための、ただ1つの方法。④

簡単に学校を作るための、ただ1つの方法、
実践編に移りましょう!

☆実践編☆

①まずは塾なりフリースクールなり、子どもが集まりやすい場を作りましょう。 

この時が、「学校を作りたい!」思いが大いに生かされるタイミングです。

あなたが作りたいのは、どんな「学校」ですか?

子どもたちに、どんな能力を身に着けて欲しいですか?

場所はどこに作りますか? その学校の立地を、どのように活かせますか?(都心部と農村部とでは、活かし方が違うのです)

私の知っている通信制高校サポート校には、次のようなものがあります。

・塾が発展したもの…補習塾の手厚い指導が役に立ちます。

・予備校がはじめたもの…不登校でも「大学くらいは…」層に響きます。

・音楽スクールがやっているもの…音楽好きゆえに高校中退→就職できない、という人は一定数います。

・自動車専門学校が行なっているもの…自動車好き・バイク好きな生徒のニーズに応えます。

・声優・マンガなどの芸術系専門学校が行なっているもの…一芸に秀でる人にとって、この方法は「好き」を伸ばせる方法です。

②自分の実践に合う通信制高校を探しましょう。

①で描いた、「こういう学校にしたい!」という夢。

これを「高卒」という資格付きで提供することが必要です。

そのためには日本に200ほどある通信制高校のなかから、
趣味の合うものを探して行きましょう。

なお、通信制高校といっても全国区は数えるほどしかありません。
地域限定の通信制高校がほとんどです。

「地域限定の通信制高校」と提携する場合、下手するとその「通信制高校」と顧客を食い合う(=ライバル校になってしまう)可能性があります。

一番楽なのは全国区の通信制高校を探し、自分のエリアにその学校が校舎を持っておらず、相対的に自校に強みがもてそうな学校を捜すことです。

理念や教材・サービス・実績は、究極的には「なんとか」できます。
通信制高校サポート校に必要なのは、「高卒」を与えてくれる機関です。
それ以上を求めないほうが、早く「学校」にできます。

どこの通信制高校も、いまは生き残りに必死です。
そのため、提携先獲得に必死であると言ってよいでしょう。

相対的に有利な条件でサポート校になることが出来るはずです。

③あとは目の前の生徒を大切にして、実践あるのみ!

 

☆フリースクール設立のご相談は、こちらまで!

トキワ荘というシェアハウス論。

書評:齋藤孝『天才がどんどん生まれてくる組織』新潮選書(2005)

齋藤孝氏の本は、高校時代から読んできた。

単なる教育学者であることを離れ、ビジネス書や身体論を書ける彼のスキル。大学院で教育学を研究した人間にとって「すごいな」と感嘆をしてしまう。

本書は12章に分けて「天才がどんどん生まれてくる組織」を論じていく。

私にとって「響いた」のは9章「漫画家の青春溶鉱炉」、つまりトキワ荘だ。

元々手塚治虫がいたアパートに、「ドラえもん」の藤子・F・不二雄や「天才バカボン」の赤塚不二夫、「仮面ライダー」の石森章太郎らが集い、日夜語り合っていた。

ストーリーを一緒に考えたり、酒を一箇所に集まって飲んだり。
忙しくなった仲間を手伝ったり、仕事が無い仲間に仕事を与えたり。

相互扶助的で、なおかつ賑やかに仕事を進めるスペースがトキワ荘であった。

「空間的な距離は、当然のことながら関係の濃密さをつくる。その場は、ひとつの志が渦巻くクリエイティブな磁場となる」(187)

トキワ荘を支えていたものは「ミッション」、つまり社会的使命だ。

若者は金より自由より何よりミッションが欲しいのだ。誰かに具体的な指令を出してもらいたい。それを遂行することで充実感を得る。有り余ったエネルギーが目的を持って一点に注がれ、形になっていく。太陽の光を一点に集めて火をおこす、そのレンズの役割が、ミッションなのである。
トキワ荘の住人たちには、漫画雑誌の編集者からのミッションが与えられていた。寝る時間を削ってそれに応え続けた。(…)何月何日までに何ページの原稿を仕上げよ。こうした具体的なミッションこそが、若者を鍛える。甘えは許されない。それだけに仲間同士の結束は強くなる。そのミッションを遂行するために周りが一生懸命手伝うのだ。社会とつながったミッションが、気楽とも言える青春時代の共同生活に張りを与えていたのである。(186-187)

 

皆と困難な課題に挑戦することで、やり甲斐や楽しさが共有される。
そのことで益々関係が深まる。

そんな「ONE PIECE」的関係性が、トキワ荘にあったのだろう。

いま私はシェアハウスに住んでいるが、この空間もトキワ荘的なシェアハウスとしたいと思う。

☆ちなみに、トキワ荘にあやかった「トキワ荘プロジェクト」というのが今あります。下記のように、漫画家志望者専門のシェアハウスとしてトキワ荘を想定しているようです。

本気でプロの漫画家を目指す若者に、都内で低家賃の住宅(シェアハウス)を提供しています。

意外と知らない教師の日常。

書評:上田浩『壊れかけた教師たち』グラフ社(2008)

 

教員稼業をやり始めて3ヶ月。

私の勤務先は「私立通信制高校」という、教員業界ではマイナー中のマイナー。

どちらかというと「」に近いような場所であるため、「ふつう」の教員の発想形態やハビトゥスが「よくわからない」のである。

その点、この『壊れかけた教師たち』はサブタイトルどおりの内容だ。

 

意外と知らない教師の日常」。

 

こういう内容を謳う本は多いが、たとえば「教師とAV」(77ページ)や「教師のズル休み」(92ページ)まで扱うものはほとんどない。

 

「よく出せたなあ」という内容だ。

共感できるのは「誉められたがりの教師たち」(103ページ)。

教員なんて、勉強だけできて(出来ない人もいるけど)「嘘がつけない」ような人が多い職種だ(と私は考えている)。
そのため、 「誉められたがり」な人が多いのはある意味で「幼い」ということなのだろう。

 

教師って本当はすごく孤独な職業なのではないかということです。日々、多くの生徒と先生に囲まれて、一日中人間相手にしゃべり続ける教師ですが、「だれも本当の自分の気持ちを理解してくれない」という気持ちも人一倍感じやすいのかもしれません。だからこそ、ウソでもいいからだれかに褒めてもらわなければ、やりきれないというところもあるのかも。(105)

 

 

教員自身が「子ども」なのかもしれませんね。

生徒は「何もしていない」ように見えて、必ず「何か」を学んでいる!

書評:フランク・スミス『なぜ、学んだものをすぐに忘れるのだろう?』大学教育出版 2012。

 

生徒は「何もしていない」ように見えて、必ず「何か」を学んでいる。

そういうテーゼが本書の土台にある。

 

人は常に何かを学んでいる。

生活するということは、人との交流・本・雑誌・新聞から自在に学ぶという事を意味する。

 

生きることは「学ぶ」ということなのだ。

決してテストの点を取るために学ぶのではない。

 

 

…こういう話は本書の主題ではあるが、「よく聞く」話の一つでもある。

「聞き飽きた」人もいるテーゼだ。

 

本書の面白い点は、《テストの点数への信仰》が起きた原因の分析が独自である点だ。

 

スミスは「心理学」がテストの店への信仰を招いた、と指摘する。

 

心理学、とくに20世紀前半の行動主義心理学は「数値化」するためにいろんな工夫をした。

 

全く無意味なアルファベットの並びを覚えさせ、再現させるという何の意味もない実験。

これが「エビングハウスの忘却曲線」をつくった。

この忘却曲線の理論は、たとえば「aqpezdge」などという適当なアルファベットを覚えさせ、「どれくらいで記憶が半減するか」を調べたテストである。

 

無意味なことばを覚えることって、日常生活にどれだけあるのだろう?

 

そんな「無茶」な前提から、学習に関する理論化が進んでいく。

 

有名な「パブロフの犬」も、条件反射によって「どんなに無意味なことも学習させることが可能だ」という恐ろしく「間違った」前提がもとに作られた理論だ、と説明する。

 

心理学は「客観性」のために、「数値化」「実験」を重視した。

「数値化」や「実験」が可能な「学習」なんて、ほとんどない。

そのために作り出されたのが、「テスト」のように質問の答を出させるというスタイルだ。

 

それは「話をしながら相手の名前が自然に頭に入ってくる」という「学習」も、

散歩をして偶然見つけた看板を見て「こういう地名があったんだ!」という「学習」も、

心理学では「学習」にみなされない。

…生活に役立つ「学び」であるのに。

 

もっというと、いろんな人の間での学習も、心理学では「学習」にみなされない。

そのため、人々は「知らない」ことを人に聞くことを「ずるい」と考えるようになる。

 

大阪市を始めとして、テストの点数や教員への「管理」が広まる気風があるが、そういったものは教育の本義ではないことが本書を読むとよく分かる。

 


 

簡単に学校を作るための、ただ1つの方法。③

散々引っ張ってますが、
「簡単に学校を作るための、ただ1つの方法」とは、

通信制高校のサポート校になる

ということです!

 

通信制高校のサポート校とは、通信制高校の作っている教材・サービスを提供しつつ、自校の教育実践も出来るという学校です。

「高卒」資格も出しつつ、「それ以外」のことも学べるという場所です。

入学時に自校とは別に「通信制高校」にも入学し、二つの学校で学ぶことで「高卒」資格も取れる、という制度です。

たとえば、音楽スクールや専門学校のなかには「高卒資格」のとれることを謳っているものがあります。

これはバンド演奏のスキルやボーカルの練習をしながら、高卒がとれる、ということです。

なぜこういうことが可能かというと、通信制高校は時間と単位取得の決まりが緩いため、「空く」時間が大量に作り出せるからです。

たとえば数学で1単位を取るのは35週の授業をうけることが必要であったりします。
ですが通信制高校の場合、授業に参加するのは、なんと

年1回 1時間

でも構わないのです。
(レポートを6枚提出することが必要ですが)

 

…ということは、他の高校生よりも34時間、別のことに時間が使えるわけです。
その時間に音楽の練習をするほうが、スキルアップにつながります。

あまり知られていないかも知れませんが、「専門学校」はそれ自体としては高校でも短大でもないため、学歴上は「中卒」となることがあります。

日本の教育制度はけっこう良くできていて、「英語」「数学」「国語」から始まって「情報」「保健」「体育」など、全部の科目で所定の単位をとらないと「高卒」は提供されないのです。

それゆえ、専門学校など専門分野に特化した学校では「高卒」が取れないことがよくあるのです(専門学校によっては「高卒」でなければ入学できない規定をしていることもありますが)。

 

一般人が学校教育法にかなったカタチの「学校」を作るのは、死ぬほど大変です。

ヒマとカネとヒトと土地が湯水のように必要です。

だからこそ、すでに出来てしまっている通信制高校と提携し、
そのノウハウを借りてくるカタチで学校を始めてしまうほうが圧倒的に楽です。

フリースクールと違い、きちんと「資格」が出ます。
学習教材を開発・研究しなくても、先方の通信制高校から勝手に送られてきます(カネはとられます)。

初年度から、提携校の「虎の威」を借りる事で「進学実績」や「指導実績」を入手できます。

情報も手に入ります。

…ある意味、居酒屋のフランチャイズと近いものですが、簡単に学校を作るにはこれしか方法はないのではいか、と考えられます。

☆フリースクール設立のご相談は、こちらまで!

 

 

簡単に学校を作るための、ただ1つの方法。②

昨日、簡単に学校を作るための方法として、

「フリースクール」

をご紹介しました。

高尚な理念があっても、
その場で適当に作ったものでも、
塾に毛が生えたものでも、
すべてが「フリースクール」です。

明確なカタチがないからこそ、
やりたい放題、なわけです。

個人的にはフリースクールを真剣にやっている人って、
大好きです。

彼らは大体「アツい」です。

ただ、だからこそ熱意が空回りしてしまう人も
たくさん見てきました。

そうなる理由はただひとつ。

「子どものために何かしたい」思いがあっても、
それを現実に・適切に・無理なく・ムラなく
実現する「方法論」を持っていないためです。

だいたい、考えてもみて下さい。

日本の高校を卒業するのに必要な単位数って、何単位か知ってますか?

高校設立にあたり、許認可権を誰が持っているか、知っていますか?

学校を作るためには、このような日本の教育法規すべてにクリアする必要があるのです。

「フリースクールで子どものためになる教育の場を作るのだ!」という熱意をカタチにするには、当然「高卒資格」やそれなりの代替物(学位・能力・達成感・経験・想い出・作品など)を提供する必要があるわけです。

喫茶店で1000円のコーヒーを飲んだことがある人ならわかりますが、
120円で変える缶コーヒーとは違う「何か」を求めるからこそ、
10倍の費用を出せるわけです。

公立の学校にいくことは120円の缶コーヒーと同じです。
それなりに安価でそれなりの水準の教育が提供されます。

フリースクールは無料で出来ない以上、120円の缶コーヒーかそれ以上のサービスなり「見返り」 を顧客に提供できなければ見向きもされなくなります。

おまけにフリースクールは作るときにはあまりお金がかかりません。
設立はカンタンです。
でも維持費・管理費・広告費・スタッフの人件費で
かなーり金がかかり続けます。

潰れていくフリースクールもかなりあります。

子どもが好きでたまらず、「持ち出しでもいい!」という人か、
(このタイプの人、本当に私が尊敬しています)
「自分の子どもが不登校になったから、この子のためにふさわしい環境を作りたい!」という親でもないと続かないのです。

リスキーなのがフリースクールです。

では、リスキーでなく、なおかつちゃんとした学校を作り、そして自分のやりたい教育を提供できるような学校を作るにはどうすればいいでしょうか?

その答えは、

2,通信制高校のサポート校になる

ことです!

 

続きはまた明日!

☆フリースクール設立のご相談は、こちらまで!

簡単に学校を作るための、ただ1つの方法。①

みなさんは「学校を作りたい!」という思いになったことはありませんか?

かくいう私自身も、

「学校とは全く違う教育機関を作りたい!」との思いに

高校時代から引きずられていた経験があります。

さて、日本においてすごく簡単に学校を作る方法が幾つかあります。

1,フリースクールを作る

自由な学び舎を作る、という方法です。

「不登校の子どもに対し何かをしたい」という人や

「自由な学び」を提供したい、という人にオススメです。

 東京シューレなど、フリースクールの大手はいくつかあります。

ノウハウを学ぶには「フリースクール全国ネットワーク」の合宿などに参加されることが近道であると思います。

具体的なアドバイスには、「登校拒否を考える親の会」など、
学びの場を求めている保護者の集まりに参加し、
要望を聞いていくという方法があげられます。

この方法のメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット 費用が安い/「子どものためになる!」という思いに簡単に浸れる
デメリット 顧客が少なく、経営が安定しない/確固とした経営方針が弱いため、持続性が少ない

この方法、何の方法論的・経営論的裏付けが必要ないため、
ごく安価に始められます。

顧客がいなくても始められます。
私の知っている人で「生徒が一人もいないフリースクール」をやっている人は何人もいます。

やったもんがちなのです。

NPO法人格を持つなら別ですが、
個人でやる場合なんの裏付けもいりません。

そのために子どもにとって不適切なフリースクールが登場することもあるくらいです。

丹波ナチュラルスクールの事件、覚えてますか?)

当然、すごく子ども思いのフリースクールがほとんどです。

ですが、一部には暴力・虐待が横行するところもあります(ないことを祈りたいです)。

もっと問題なのは「学校をやりたい!」「子どものために何かやりたい!」人の「善意」のみが溢れ、結局なんにもならないという事例があまりにも多いのです。

(生徒ゼロのフリースクールってどうよ?、という話です)

それでは子どものためになり、
なおかつちゃんとした「学校」を、
「ちゃんと」作るには、どうしたらいいでしょう?

続きはまた明日!

お楽しみに!

☆フリースクール設立のご相談は、こちらまで!

ノースサファリサッポロと旭山動物園に思うこと。

今日、旭山動物園(旭川市)に行ってきました。

旭山動物園 https://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/

札幌からはバスで2時間半。意外に近いものです。

広い園内に「ペンギン館」など動物ごとに建物が建っています。
円山動物園など同様、北海道の動物園は「寒い」時期対策として
室内展示の出来るような建物が必要なようです。

本州にいた時から、旭山動物園の「空をとぶペンギン」の話は
聞いていましたが、水中トンネルで見るペンギンの姿は
「ああ、行ったかいがあったな」と思うものでした。

 

さて、前のゴールデンウィークに札幌から車ですぐいける
ノースサファリサッポロ(https://www.north-safari.com/ver2/index.html)に行って来ました。

こちらは狭い園内にたくさんの小動物、
ウリは「実際に触れる」点です。

旭山動物園とノースサファリサッポロ。
札幌から行きやすい動物園ですが大きく違っています。

大きな違いは「大規模」な旭山動物園に対する
小規模・体験型のノースサファリサッポロという対比です。

かなり展示に工夫をしていますし、
傷ついた動物の保護という目的が優れているのが
旭山動物園です。

ですが旭山動物園はよくも悪くも、
「昔ながらのテーマパーク」のやり方そのままであるように
思いました。

真新しさで言うと、ノースサファリサッポロの
インパクトには負けてしまうようです。

これからの時代、大きな敷地に真新しい設備で何かをはじめる
という形式はなかなかリスキーなように思います。

だからこそ旭山動物園には長い「冬」の時代があったわけです。

ノースサファリサッポロもそのうち「冬」の時代になるでしょうが、
小規模であればいろいろな微修正や変更もしやすいものです。

今後の自分の実践の仕方も含め、
参考になるのがノースサファリサッポロと旭山動物園の対比でした。