ウォルト・ディズニー主催「全米最優秀教師賞」を取ったロン・クラークの本。
現場教員にとって役立つ知見の多い書である。
「ここぞという学習の好機がやってきたときには、決められた計画を無視したり、授業をほうりだしたりすることを恐れてはならない」(77)
「規律のために利用できる一時しのぎの方法はいろいろあるが、長期的な結果を生む最高の方法は、先生をがっかりさせたくないと生徒たちに思わせることだ」(81)
「すぐれた教師の最高の特質は、いつも自分の授業から何かを学びとれるということだ」(95)
「子育てにおける苦闘の半分は、子どもに自信をもつよう教えることにある」(157)
「整理整頓をするというのは、まったく単純で常識的なことであることのように思えるが、子どもたちの多くには異質な考えなのだ」(199)
私は、あんまり教員による「教師論」は好きではない。
あんまり役に立たないし、自己満足の内容が多いからだ。
しかし、たまに読みたくなる。
自分の行動が正しいのかどうか、客観的基準のないのが教員業だからである(そしてこれはすべての営業職の宿命でもある)。
教室では、常に「単独者」として教員は生徒と向き合う。
営業の際、「単独者」として顧客と向かうのと似ている。
ダメな人は参考物がないから永遠に学びがない。
だからこそ、似た立場の人物の著作が「鏡」として必要になる。