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待ち合わせの力学 |
待ち合わせの際、とくに話すこともないときはボーッとするか携帯を見るかしか許されない(許可されない)。例えば書籍を読もうとすることは「不適切である」とされる。Goffmanならば共在状況の一例であるとみなすであろうが、人前では本を読むことは許されず、携帯を見るようなことやぼーっとするような生産性の高くない振る舞いのみが許可されている。
従属的関与(Goffman)とはいうが、集まりに対する敬意を払う度合いが、待ち合わせの際には強く求められる。携帯などはいつでも離脱できるメディアだが、書籍はそうではない。ギリギリが新聞・雑誌である。
集団に働くこの権力関係も、フーコー流にいうと眼差しの権力ということになるのであろう。関係性に働く権力である。文脈ごとに適切とされる振る舞いの仕方は、あらかじめ集団に内在されているのだ。
権力は案外こういうところにあるもんなんだ、と改めて気づいた。