中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書、1967年

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

中根千枝『タテ社会の人間関係』講談社現代新書、1967年

47頁
実際、日本人は仲間といっしょにグループでいるとき、他の人びとに対して実に冷たい態度をとる。

78頁
学歴で一律に個人の能力を判定するということは能力主義というよりも反対に能力平等主義である。なぜならば、学歴で能力が違うということは、誰でも在学した一定年数分だけ能力をもつということになるから、個人の能力差を無視した考えである。

104頁
どんな社会でも、すべての人が上に行くということは不可能だ。そして社会には、大学を出た人が必要であると同様に、中学校卒の人も必要なのだ。しかし、日本の「タテ」の上向きの運動の激しい社会では、「下積み」という言葉に含まれているように、下層にとどまるということは、非常に心理的な負担となる。なぜならば、上へのルートがあればあるだけに、下にいるということは、競争に負けた者、あるいは没落者であるという含みが入ってくるからである。

181頁
日本人は、論理よりも感情を楽しみ、論理よりも感情をことのほか愛するのである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください