瀧本哲史, 2011, 『僕は君たちに武器を配りたい』講談社。

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「労働者の賃金が下がったのは、産業界が「派遣」という働き方を導入したのが本質的な原因ではなく、「技術革新が進んだこと」が本当の理由だからだ」(65)

1999年のiMacというカラフル+スケルトンボディのパソコン。
「アップルの苦境を救ったのもスペックや機能ではなく、「色」や「デザイン」だったのである」(142)

起業するなら、「自分が働いている業界について、どんな構造でビジネスが動いており、金とモノの流れがどうなっていて、キーパーソンが誰で、何が効率化を妨げているのか、徹底的に研究するのである」(172)

「起業家が新しいビジネスを見つけるときの視点として、「しょぼい競合がいるマーケットを狙え」という鉄則がある」(175)
→自分の会社について「その会社が潰れる前に退職し、その会社を叩き潰す会社を作るのである」(178)

☆イノベーション(技術革新)とは「実は「新結合」という言葉がいちばんこの言葉の本質を捉えた訳語だと私は考えている。既存のものを、今までとは違う組み合わせ方で提示すること。それがイノベーションの本質だ」(183)

「つまりリーダーには、優秀だがわがままな人をマネージするスキルも大切だが、優秀ではない人をマネージするスキルのほうが重要なのである。ダメなところが多々ある人材に、あまり高い給料を払わずとも、モチベーション高く仕事をしてもらうように持っていくのが本当のマネジメント力なのだ」(190)

「資本主義の社会では、これまで述べたように、自らが会社を興して事業を営むか、あるいは自分が株主として会社の利益に応じて報酬を得られる仕組みを構築することが大事となる。その場合に欠かせないスキルが、人をどうやってマネジメントするか、というリーダーシップのとり方なのである」(191-192)

「資本主義の国で生きる以上、株主(投資家)の意思のもとに生きざるを得ない、ということなのだ。それならば、自分自身が投資家として積極的にこの資本主義社会に参加したほうが良いのではないか、というのが私からの提案なのである」(217)

「「自分でリスクが見えて管理できる状態」とは、何らかの仮説に基づいて投資を行った後で、その仮設が間違っていると気づいたら、いつえも手仕舞いできる準備をしておく、ということである。
 自分がとろうとしているリスクの大きさを、正確に見極めよ。そのリスクに責任がとれると踏んだならば、臆せずに投資せよ。それが投資家として生きる上での鉄則なのである」(232)

「「売り物がある人」は必ず「武器」として英語を身につけるべきだ。まだ「売り」がない人は、英語の勉強をやる前に「自分の商品価値」を作ることが何より大切なのである」(266)

「社会に出てから本当に意味を持つのは、インターネットにも紙の本にも書いていない、自らが動いて夢中になりながら手に入れた知識だけだ。自分の力でやったことだけが、本物の自分の武器になるのである。資本主義社会を生きていくための武器とは、勉強して手に入れられるものではなく、現実の世界での難しい課題を解決したり、ライバルといった「敵」を倒していくことで、初めて手に入るものなのだ。そういう意味で、ギリシャ神話などの神話や優れた文学が教えることは、人生の教訓を得るうえでも非常に有効だと私は考えている」(281)

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