フリー・スクールの定義について、調べてみよう。原点に返って。
古典的なフリー・スクール(自由学校)としては、イギリスのニールが1925年に設立したサマーヒル学園が代表的であるが、1960年代から70年代にかけて数多く設立されたフリー・スクールは、様々な理念をかかげていた。白人中流階級の子弟を中心として、教育の自由、児童の要求を尊重するサマーヒル学園の系統のほかに、ヒッピー的な対抗文化や反戦運動・公民権運動などの政治的色彩を帯びた学校、労働者階級の自覚を求める学校、黒人生徒に学習経験を与える目的で設立されたもの(例えばニューヨーク市のハーレム・プレップ)、黒人に黒人固有の文化と意識を自覚させ、尊重させようとして設立されたもの(例えばミシシッピー・フリーダム・スクール)など多様なものがあり、1970年代半ばには、約2000校に及んでいた。いずれも生徒や父兄を学校運営に大幅に参加させる点で共通していた。しかしその多くは小規模な私立学校であり、父兄や篤志家からの寄付や薄給で働く教師によって支えられている面が強く、経済的に行き詰まるところが多い。平均して一年半しか持続できないといわれるが、既存の学校のあり方を、その原点に立ち帰って考え直させる存在となっている。(小沢周三ほか『新版・現代教育学入門』初版1982、新版1997、pp78~79)
…歴史的文脈の中でのフリースクールはこんな感じです。公民権運動や反戦運動等、アメリカの激動の時代に生まれたのがフリースクールなんですね。ちなみに日本のフリースクールの草分けである東京シューレは1985年にオープンしました。