『間違いだらけの教育論』において諏訪哲二は、映画『奇跡の人』に描かれたヘレン・ケラーとサリヴァン女史の関係を元に教育論を語る。「野生」的本能丸出しであった少女ヘレンに、サリヴァンはスプーンとナプキンを使うことを強制させる。ヘレンにとってそういったものは「不合理な文化(外部)」であった。
それでもサリヴァン先生は執拗にちからずくでその方式をヘレンに押し付ける。固体の外部に構築される文化(作法)は、個体にとって合理的ですらないのだ。その不合理な文化(外部)を受け入れさせられることによって、ひと(個体)はひと(個人)になるのであろうか。ここが「啓蒙」としての教育の出発点である。(諏訪哲二『間違いだらけの教育論』光文社新書、2009年、10頁)
これにより「ヘレンは生まれてはじめて外部を積極的に認めざるをえなくなった」(同11頁)。ここから「奇跡」が始まり、ヘレンの人間的成長が始まっていく。
この後、諏訪は「『啓蒙』の教育は上下関係のないところで成立するはずがないのだ」(同17頁)と述べる。教師-生徒という上下関係があるからこそ、子どもが近代的理性をもった近代人に「啓蒙」されるのだ、と説明している。
日本の子ども・若者たちのある特徴的な人たちは、物理的に「見えて」「聞こえて」「しゃべれる」にもかかわらず、ヘレン・ケラーのように外部や文化やルールを受容する手立てを精神的に奪われている。外部に一度屈服していないから、全能感的な「この私」的な自己感覚の支配下にあり、外に表示し生活する「私」(近代的個人)になっていない。彼らを取り巻く環境に「啓蒙」としての教育が強力に働いていないとも言える。(諏訪哲二『間違いだらけの教育論』光文社新書、2009年、25頁)
ここまでが『間違いだらけの教育論』の「序論」に書かれている。近代的理性をもった近代的個人を生み出すのが学校の役割であるとして、諏訪は論を展開していく。
「おわりに」において諏訪は言う。
識者の多くが教育論において躓くのは、子どもが自ら学ぶ主体としてそこに「いる」ことから議論を始めてしまうからです。ひとは学ぶべきもの、子どもは本来的に学ぶことを望むものと固く信じているからなのでしょう。(…)学ぶ者となるためにはまず「啓蒙」としての教育の局面が理屈ぬきに必要です。そこから子ども(ひと)は「文化」としての教育、そして、「真理」としての教育に進んでいけるのだと思います。(諏訪哲二『間違いだらけの教育論』光文社新書、2009年、229頁)
この「啓蒙」としての教育が、ヘレンがサリヴァンから受けた「外部」の存在に自覚し、「学ぶ」という意欲を持ち始めることなのである。諏訪のいう「啓蒙」としての教育も、ある意味でナショナルミニマムとしての義務教育に入るであろう。
ただ、フリースクールを専門に研究している学徒として、筆者は諏訪の語りに疑問を持っている。この「啓蒙」を行う場所としてフリースクールを想定してもよいはずだが、諏訪は学校で教師が行うことに固執している点である。
さらに気になるのは、本書の帯が観である。「小林よしのり氏推薦」として「彼らこそ、日本を貶めた5人の教育家だ!」とし、齋藤孝・陰山英男・義家弘介・寺脇研・渡邉美樹の5氏を名指ししている。本文を見ても、作者の諏訪は5人に「日本を貶めた」と言及する点はどこにもない。それに、本書は識者の教育論がいかにデタラメであるかを説いた本なので、「貶めた」はイイスギである(受験現代文の参考書では、よくこういう書き方をする)。また、本文ではこの5人に内田樹をプラスした6人を批判しているため、「貶めた」発言のためにはあと一人多く書かなければならないだろう。
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