アメリカ映画にはヒーロー物の伝統がある。
バッドマン、アイアンマン、サンダーバードなどなど。
これらは基本的にマンガのヒーローを映画化したものだ。
ちなみに、これらのヒーローの特徴はなんだろう?
バッドマンはウェインカンパニーの社長の御曹司。
大金持ちのいわば余暇として、人助けをしていく。
サンダーバードは土木建設事業で一旗揚げた一家の慈善事業。
資産をもとに自分の家族を訓練し、世界中のトラブル解決を目指す。
チャーリーズ・エンジェルのチャーリーは実業家の大富豪。
「チャーリーがスポンサーになって、3人の女の子(エンジェル)たちを支援し」(52頁)、事件を解決していく。
アメリカのヒーローたちは、基本的に「民間人」なのです。それも、事業を成功させてお金持ちになった実業家が多い。(52頁)
では、日本では?
日本のヒーローといえば?
ウルトラマンや◯◯レンジャー、などなど。
一方、日本の場合はどうでしょうか?
同じように日本のヒーローを思い描いていただければわかると思いますが、面白いことに、そのほとんどが「公務員」なんですね。
たとえば、ウルトラマンの科学特捜隊は、国際科学警察機構の下部組織で、パリに支部があり日本に支部がある公の期間です。
ウルトラマン自身も、宇宙警備隊員ですね。(54頁)
日本人の場合、ヒーローは公務員。
それは「「なぜ国がやらない!」と怒り出すのが日本人」(70頁)である証拠かもしれない。
テレビや映画から生まれた日本のヒーローは、ほとんどが公務員です。実業家や大富豪が世の中の悪を倒す、みたいなものは、ほとんどありません。(55頁)
NPOやNGOのやることに「うさんくささ」を感じるのが日本人。
でも、昔はそうでなかったはず。
たとえば角倉了以は私費を投げ打って運河や河川の整備を行ったヒーロー。
いつからかヒーローは国などが公務員として働くもの、というイメージが付いてしまっている。
注 ◯◯レンジャーのシリーズには、国の秘密組織などの前提で作られたものもあれば、太古からの守護神の化身、というものもある。しかし、そのへんの大金持ちが私費で運営しているような◯◯レンジャーシリーズは存在していない(と思います)。