オットー・シャーマー博士が考案したU理論。
PDCAサイクルや各種の文責のように、これまでは「過去」からの学習をメインに、ビジネスや組織改善が行われてきた。
U理論は違う。
「出現する未来」から思考する、という方法論。
(5頁)
「過去からの学習」の場合、「これから起こる変化」に対応しきれないことがある。
ではU理論とはどのような理論か?
(7頁)
問題や状況をひたすら観察し、内省によって気づきが得るまで考え、出た仮説を実際に試す、というような形。
「2.プレゼンシング」は「ひたすら待って、経験が何か形になって湧き上がるのに任せるんだ。決定する必要はない。何をすべきかは自ずと明らかになる。あわてる必要はまったくない。自分の源泉はなにか、誰なのか、ということがむしろ重要だ。これは経営においても同じだ。『内面の奥底から浮かび上がってくる自己』が大切だということだ」(99)。
この形が「U」に見えるからU理論というようだ。
これまで、「できる人」の間でなんとなく感じられていた、「これ、こうするとうまくいかない?」というような気付きを、理論としてまとめたもの、というような感じの本。
正直、まだあんまり中身は分からないけれど、これまでと違う発想の方法論のようだ。
オットー博士は、このプロジェクトをはじめ、さまざまな研究の結果、「盲点となっているのは何を(What)どうやるか(How)ではなく、誰(Who)という側面だ。リーダーが何を実行するか、どのように実行するかではなく、個人としても、集団としても、自分は何者なのか、行動を生み出す源(ソース)は何か、にある」という結論にたどり着いています。(49頁)
U理論が何かを端的に表現するとすれば、それは、「何か(What)」でも「やり方(How)」でもない領域である「誰(Who)」を転換することで、過去の延長線上にはない変化を創り出す方法である、ということです。そしてこの洞察が、類まれなる影響を周囲に与えてきたリーダーへのインタビューから生まれたことに、U理論の独自性や可能性がうかがえます。(50頁)
☆なんとなく、アレントの「現れの領域」としてのパブリックを思い出す(『人間の条件』)。