昔から、本を読むことだけは好きでした。
初めて行く街でも、なぜか本屋だけは覗いてしまいます。
旅でしか行かないけれど、何度も寄ってしまう小さな本屋が私にはいくつもあります。
そういうものもひっくるめて、私が本当に好きな本屋のランキングを発表したいと思います。
5位・・・ヤマノヰ本店(@東京都・早稲田駅)。
世にも珍しい、教育書専門の古本屋。
大学生・大学院生時代にしょっちゅう覗いていた。
大学生・大学院生時代にしょっちゅう覗いていた。
店長いわく、「オヤジが亡くなった時、本屋を閉めようと思ったが、いろんな大学の先生から《ここが閉まると、俺の研究ができなくなる》という泣き言を聞いた」という。教育学研究を陰で支え続ける、稀有な本屋。ちなみに、早稲田駅から来ると、ちょっと裏通りにあるのでスルーする率が高い本屋。
4位・・・松丸本舗(@東京都・東京駅)。
もうなくなってしまった本屋。東京駅の丸善上にあった。『千夜千冊』の松岡正剛プロデュースの本屋。本を読む楽しさを知れる。いい本屋だったのになあ。
☆余談ですが、最近「本棚編集ワークショップ」というイベントで、
この松丸本舗の設立に携わった人と偶然会いました。
「再びやらないんですか?」の質問に、
「やりたいですが、やれる人がいまあまりいません」との返答。
ちょっと寂しくなりました。
3位・・・北海堂(@北海道・すすきの)。
すすきのの歓楽街にあって、深夜までやっている稀有な古本屋。飲み会の時間合わせや「飲んだあとにちょっと文化的活動をしたい」という時に役立つ。店長のオヤジさんがすご〜く個性的で、「こいつ、聞いてくれる奴だな」と思うと延々と本と読書法の話・洒落の話を聞かせてくれる。すすきのの客引きに疲れたら、ここに行くと元気を回復できる(はず)。もはや何の目的でやっているか分からない。そこがいい。
2位・・・読書のすすめ(@東京都・篠崎駅)。
「致知」好きな人にはたまらない本屋。儒教的「自己啓発」ばっかりあふれる本屋。ワタシ的には入ってすぐに店員に「生ビールいかがですか?」と聞かれる流れが面白い。酒と本、両方楽しめる場所。店員に「〜〜な本ありますか?」と聞いた時の適切なコメントがいい。斎藤一人が好きな本屋だったりする。私が森信三を知ったのはこの本屋。
1位・・・模索舎(@東京都・新宿御苑前)。
堂々の一位はミニコミ誌専門のこの書店。右翼から左翼まで、さまざまな団体のミニコミ誌が集まる本屋。自分が作った本すら、置いてくれる太っ腹具合。日本の思想状況が30分ほどで分かる貴重な本屋。
いかがでしたでしょうか。
紹介したのは5つだけですが、
こうしてみると、私は大書店よりも「個性的・クセのあるミニ書店」が好きなんだな、と実感しています。
大書店はもはや、「小さなamazon」でしか無くなっています。
それよりも「amazonには無理な、痒いところに手が届く」サービスを、皆が求めているようです。
本屋は、いわば一つの世界です。
知を一つに連関して束ねる場が、本屋です。
小さな本屋は、「店長」の個性がはっきり表れます。
良くも悪くも、「あの人いいなあ」感を持たせられる本屋。
本よりもその店長と話すためだけに行きたくなる本屋。
「本」を超えた本屋こそ、面白い本屋なのかも知れません。
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