「反転」は、果たして可能か?〜『反転授業』読書会を振り返る〜

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札幌時代から月1でやってきている、読書会。
「日本の思想」テーマでやってきたはずが、やはりディープに教育べったりでやっています(まあ、私的にはいいんですけど)。

私の自己学習の記録がこちら↓。

URL 「教える」モデルからの「反転」〜反転授業は「学び」を復権させるか?〜 

 

さて、本日7/19はその本番でした。

議論の大きなテーマは、「反転授業によって、これからの学校・授業・教員はどうなるか?どう替わっていくべきか?」

結果的には「いまの日本の制度でそのまま入れても、あんまりうまく行かないかもしれない」が議論のまとめとなりました。

まあ、当然といえばそうです。

日本の教育は「困ったら学校に◯◯の授業を行わせる」で回してきました。
例1 英語が必要?じゃあ、小学校から英語の時間だ!
例2 これからはシティズンシップ教育の時代だ!
例3 やっぱり大学では「社会人基礎力」をつけさせないと!
例4 体育ではダンスをやらせよう!武芸のなぎなたも!

その結果、そのようなスキルも経験もない教員に無理にやらせることになります。
(ダンス経験のない教員の教えるダンスの授業は、おそらく「悲惨」でしょう。)

困ったことに、日本の教育は全体主義的に「来年から◯◯を学校でやります!」式で来ています。
総合学習もゆとり教育も、そんな流れで来ています。
「100マス計算」「朝の10分間読書」といった「一見すると民間教育運動」的な教育の流れも、いきなりあちこちの学校でやり始めることになります。

おまけに教員は「それほど」人気のある職業ではなく、なんでもできるスーパー人材は起業家になったり、外資系に行ったり、国1を目指したりしています。

こういう流れで反転授業をいれても、ねえ。

・・・ただ、理念的にはとてもいい概念です。
反転授業を応援する旗振り役をやりたいくらいです。
私の勤務先でもやる予定です。

ただ、ここで考えるべきは教育論が「制度的に無理」に流されることの問題点です。
実際、細かい話をすると大体の教育論は「実現不可能」で終わります。

でも、方針や理念型を定めることはすごく意味があることです。

私はよく教育論を読みますが、大部分の教育論の読者と違い、日本という枠での実現可能性は無視しています。

あくまで自分の周囲で実践できるという文脈で読んでいます。
だって、そうじゃないと「暗くなる」からです。

 

閑話休題。

読者会をしていて気づいたことを何点か。




(1)授業のコモディティ化について

コモディティ化とはそれぞれの個性がなくなり、陳腐化すること。
似たような商品ばかりになり、優位性がなくなり、結果「安売り競争」に巻き込まれること。

これまでの学校の「授業」は、特に工夫もあまりなく、決められたカリキュラムを決められたとおりに進めるモデルでした。
「勝負できる商品」としての授業はあまりなく、「やらなければならない」からやるだけ、でした。

授業のコモディティ化です。

反転授業をすすめることは、コモディティ化した授業に風穴を開けることになります。
つまり、「ネットで流れている授業のほうが面白い」という単純な事実に、生徒たちが気づくことです。

そうなった場合、教員の反応は2つにわかれるでしょう。

A 授業改革に情熱をそそぐ
B 単なる授業でなく、ネットの授業を見た上でこそ成立する、アウトプット中心の授業を行う(ディスカッション、プロジェクト学習など)

私なら迷わずBを選びます。
そして「学び」をコーディネートする人としての教員として仕事をします。

(2)日本型合意形成モデルについて

日本の民主主義的な合意形成の方法。
会社でも大学のサークルでも、町内会の寄り合いでも、
議論の合意形成は大体「全員に意見を聞き、多数決を取る」というスタイルです。

このモデルは戦後の学校教育での「学級会」のやり方から来ています。
つまり、日本的な合意形成モデルは学校での議論のやり方そのままといえるでしょう。

もし学校の授業の中で、KJ法やKPT、マインドマップなどの発想ツールや合意形成フォームを学ぶなら、日本人の合意形成の仕方も変わっていくのではないか。
だからこそ、学校内での議論の仕方・合意形成の仕方の教育を再検討することは大切なのではないか。

・・・・取り留めもなく書いてしまいましたが、今回のように発想が広がるのがいい読書会の条件なのかもしれません。

 

2Q==

 

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