早稲田に住んでいた頃、
よく「なにもかも嫌になる」ことがあった。
大体の場合、映画に逃走(早稲田松竹)するか、早稲田大学中央図書館の地下で手塚治虫マンガを読みあさるか、
TSUTAYAを散策するかをしていた。
その衝動が「とてつもない」とき、私は自転車でひたすらどこまでも行こうとした。
しかし。
残念ながら私には根性と体力がなかった。
早稲田から高田馬場を通り、「どこまでも西武線沿線を辿っていく」決意で自転車をこぐ。
大体の場合、下落合で挫折し、折り返していた。
たぶん、面倒くささと、「なにバカなことやってるんだろう」という気づきと、
「けっきょく、何かに取り組まないといけないのだろうなあ」という事実に気づいたからだろう。
結果的に、私は下落合駅より以西にいくことはなかった訳である。
現実逃避をやりきるには根性と体力が必要なのだ。
しかし。
一度でもいいから、「ひたすら遠く」(所沢レベル)まで自転車で走っていたら、
いまの自分は少し違っていたのではないか、と思うことがある。