5,「スキマ時間」記述
ノマド・スタディに関わりが深いのは「スキマ時間」である。何かと何かの「間」の時間に「発見」されるのが「スキマ時間」である。その「スキマ時間」の「活用」こそ、「いつでも・どこでも」学習するノマド・スタディにとって必要な「資源」である。
では、この「スキマ時間」について、どのようにこれまで説明がなされてきたかを見てみよう。
「スキマ時間」で始まる書籍を国会図書館データベース(NDL-OPAC)で検索してみた。すると29件の記述が存在した(2011年8月6日参照)。最も古いものは1996年発行の『奇跡の「スキマ時間」活用術』(安田賀計 PHP研究所)である。
29件のうち下の2冊は授業のなかでの教員の実践のヒントに繋がるものである。
・パッと使える「すきま時間の遊び」 / 家本芳郎. — フォーラム・A,2006.4. — (学級担任テーマブック)
・学習密度が濃くなる”スキマ時間”活用レシピ50例 / 森川正樹. — 明治図書出版, 2010.8
また、次のものはゴルフの上達を志向したものである。
・スキマ時間でスコアが伸びるゴルフ上達トレーニング / 田中誠一. — 日本経済新聞社, 2003.9. — (日経ビジネス人文庫 ; 190)
これら以外はすべてスキマ時間に資格のためなどに勉強を行なうことを志向したものであった。なお、NDL-OPACで「隙間時間」を検索すると該当するものは見つからなかった 。
つまり、「スキマ時間」というものは資格勉強ないし受験勉強を行なうために「発見」され、活用されるものなのである。あるいは忙しいビジネスマンのゴルフ練習のため、ないしは学校において教員がちょっとした授業時間の「スキマ時間」を有効に活用するために用いられている言葉なのである。