イリイチ『脱病院化社会』読書メモ

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「私の論じたいのは、現在の医原的流行病を阻止するためには、医師ではなく素人が可能なかぎり広い視野と有効な力とを持つべきだということである」(13)

「お互いの自己ケアの能力を回復し、その能力を現代の応用技術の活用と結び合わせることに習熟した人々のみが、他の重要な分野においても、工業的様式の生産に制限を加えることができるだろう」(17)

「独占一般は市場を買いしめるが、根底からの独占は人々が自ら行為し、自らつくる能力を奪ってしまう」(39)

「集約的教育の結果、独学者は雇用されず、集約農業は自作農夫を破壊し、警察の発展は地域社会の自己制御を蝕んでしまう」(40)

「自ら学び、自ら癒し、自分で自分の道を見出すよりは、教えられ、動かされ、治療され、導かれることをわれわれは欲するのである」(168)

「話す自由、学ぶ自由、癒す自由を絶滅する一つの確実な方法は、市民の権利を市民の義務に変えることであり、それを制限することである」(191)

「健康であると証明されるまでは市民は病気であるとみなされる」(93)

「どのような価値の主要領域においても、産業生産の拡大がある点を超えると、限界効用は公正に分配されなくなり、同時に全般的な有効性も下降しはじめることは証明されうる」(214)

「人は他人に対して責任をもつと主観的に感じるときだけ、彼の失敗の結果は批判、中傷、罰というものでなく、遺憾、自責、真の後悔となる」(219)

「医療の介入が最低限しか行われない世界が、健康が最もよい状態で広く行きわたっている世界である。健康な人々とは健康な家に住み、健康な食事を食べる人々である」(220)

*Illich,Ivan(1976):金子嗣郎訳『脱病院化社会』、1998年、晶文社。

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