私はかつて、大学院で授業中の「内職」論について研究してきた。
読みたい方は『早稲田大学教育学会紀要』2011年版か
https://nomad-edu.net/2010/05/blog-post_31.htmlをご参照いただきたい。
さて、これらの論文の中で私は次の仮設を検討した。
「生徒は、単に授業をうけるのでなく、
内職によって授業を「再構成」し、
自分にとって有用な時間に変化させる」
私にとっては思い入れのある論文である。
最近『となりの関くん』というマンガを読んでいる。
このマンガ、まさに「内職」的に授業を「再構成」する
クラスメイトの物語である。
郵便屋をやったり、ひざの上でネコを飼ったり。
授業中を自己にとっての有用な時間に「再構成」している。
このように本来の時間を別のものに作り変える「再構成」こそ、
人間の創造性の土台である。
会社の会議中に企画書を構想したり、
電車の待ち時間に本を読んだり、
信号待ちの間にメルマガを読んだり。
現代人は時間を別のものに「再構成」する。
この「再構成」する意志をもつ主体としての人間観を持つことが、
現代社会の見方を転換させることにつながるかもしれない。