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ネル・ノディングス『教育の哲学 ソクラテスから〈ケアリング〉まで』宮寺晃夫監訳, 2006世界思想社。 |
ネル・ノディングスの発想は
「ノマド・エジュケーション」を考えていく上での福音である。
「真実の教育は、教育される者の狙いとエネルギーに関わっていくものでなければならない。そのような関わりをたしかなものにするために、教師はケアと信頼の関係を築かねばならないのであり、そのような関係の中で、学生・生徒と教師は協力して教育の目的を築いていくのである」(329)
「ケアの倫理学は真に自律的な道徳主体という概念を拒絶し、道徳的な相互依存性という現実を受け入れる。私たちの善さと私たちの成長は、私たちが出会う他者のそれと切り離されることなく結びついている。教師として私たちは、学生・生徒が私たちに依存しているように、学生・生徒に依存しているのである」(330)
「デューイに従えば、教育の目的はさらなる教育である。そうであるから、教育は究極目的としても手段としても機能する」(47)
「今日、マイノリティと貧困層は、自分自身の地理的コミュニティの中でしだいに孤立しており、コミュニケーションは孤立した単位の間に分断され、その中でそれぞれ政治的決定がなされようとしている」(282)
「教師は学生・生徒たちに、共同作業の第一の目的は互いに助け合い、理解し合い、分け合い、支えあうことである、とはっきりというべきである。共同学習の目的は、必ずしも学科の学習ではないのである」(321)
「信頼と継続性が不可欠であるから、私は、教師と学生・生徒は相互の合意のもとで、数年間ともに過ごすべきだと提案してきた。ケアの倫理学によって指導される道徳的な生活は、ケアリング関係の確立と維持と向上に意を注がなければならない」(323)