「涙も笑いも、力になる」とのキャッチフレーズ。
「プロフェッショナル仕事の流儀」のDVDシリーズにも、教員・教育業についてはいろいろあるが、印象的なのはこの1本。
院内学級。
知られていない人も多いけれど、病院の中にある、入院中の子どものための学校。
メンバーは日々変わるし、退院=卒業。
決して、「主役」としての教師には、なれない。
サッカーで言うと、常にパスを出し続ける選手。
重い病気を背負いながら通う子どもたち。
あまり経験したくないけど、「生徒が途中で病でなくなる」という悲哀も、まま経験することがある。
自分を責めたり、近づく手術の不安を示したりする。
私も札幌の院内学級である札幌病院の院内学級「ひまわり分校」を訪問したことがあるが、あの雰囲気は独特。
でも、その悲哀を感じさせないくらい、楽しそうな学級の様子。
なんかフリースクールみたい、と感じる。
そこで「教員」をやる副島氏。
DVDには出てこないほど、沢山の悲哀を感じてきただろう。
副島氏は「あえて笑わせる」というクラウン教師。
笑えないだじゃれを言う、あえてドジをやる。
赤鼻を付けて、ピエロに扮する。
ピエロは、顔に涙を描く。
ピエロは笑われるのが仕事。
たくさんの悲しさを感じてきたからこそ、逆にまわりを笑顔にできる。
副島氏は「体動かすの、大好き」という、バリバリの体育教師だった。
でも、急に肺の病に侵され、5年間、入退院を繰り返す。
そして、「激しい運動ができない」申告を受ける。
その悲哀を経験し、自らの「教師業」を振り返る。
仕事を中断し、大学院へも行く。
復帰後、院内学級で出会った少年から、自分のやるべきことを見つける。
それが院内学級の教師という仕事。
子どもたちを元気にする仕事。
すごいのはすごいけど、すごさが表面に出てこない。
一件、普通のおっちゃん。
でも、涙もろい。
「同業者」として、素直に凄いと思う。
特に、「子どもと向き合う姿勢」はなおさら。
どうでもいいけど、あえてかすれ声を使いこなせる所、私も学びたい。
同業者として。