先日、札幌芸術の森美術館で開催中の
有元利夫 10年の絵と譜」展を観に行きました。

芸術の森って、札幌駅から行くと異常に遠いんです・・・・。
地下鉄で真駒内まで行き、そこからバスで約20分。

そして10分くらい歩いて、やっと到着。

面倒です。
でも、その面倒が気にならないくらい、
この展示は「いい」展示でした。

有元利夫は1985年に38歳で亡くなるます。
画壇で活躍したのは約10年。

でもその10年という短い期間に、
絵画・彫刻のほか、陶芸(有田焼)に挑戦し続けました。

 

自称「作りたがり屋」。

あらゆる賞を受賞した「輝かしい」画家です。
早死しなければ、いまも旺盛な「作りたがり」だったことでしょう。

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彼の作品を一見すると、中世絵画のような錯覚を覚えます。
題材も、バロック時代を思わせる書き方。

やたら体格のいい女性を中心に、
ぼかした感じの背景が並びます。

キャンバスをあえてヤスリで削ったり、
傷を付けて風化を表しています。

現代絵画のはずなのに、「古典」を見ている感じ。

不思議な感じのする絵画展でした。

 

私は絵画以上に、彼の「日記」や「作品」の文言に惹かれました。

切ない。
自分に忠実になる事でしか
切なさは消えない。(1976.4.11)

風化というものはとりもなおさず
ものが時間に覆われることだと思う。
(『有元利夫 女神たち』)

 

作りたがり屋で、アクティブ。
寂しがり屋で、一人では創作ができない。

展示を観ればわかりますが、
どこまでも作品の水準の向上を目指し生き抜いた画家です。

死ぬ前年にも、
〈あと10年も修行すれば描きたいものがもっと描けるようになる〉と
意欲的だったのです。

画家の執念を感じました。
同時に、彼の分まで生きて仕事をしぬくエネルギーをもらいました。

 

7/3までやっています。
ぜひ画家の執念を観てみてください。

有元利夫 10年の絵と譜


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