昔からだが、「成功者」という言葉はあまり好きではない。
決して自分で「私は成功者だ」と言うことが出来ないにもかかわらず、
他者によって「◯◯さんは成功者だ」と一方的に言われてしまう。
不思議なカテゴリーの言葉である。
大体、「成功者」というカテゴリーも、すごく曖昧。
「めちゃくちゃ稼いでいる」人も入る。
(イチローは必ず入る)
最近いろいろあった与沢翼氏を「大成功者」と持ち上げたのも自己啓発本であるし、
「拝金主義者」と批判したのも自己啓発本である。
なかなか曖昧な定義。
でも、この『成功者3000人の言葉』は面白かった。
(何をもって「成功者というか」という根本的疑問は棚上げすることとする)
「人間の真価が問われるのは、たったひとりになったときだ」
例えば、何らかの理由で無人島に流されてしまったと想像してください。まわりには誰も人がいない。|(…)人が見ていようが、見ていまいが、関係なく自分がやるべきことをやる。やらなければいけないことをやる。それが問われているのです。(44-45)
「受かると思って行かない面接は落ちる」
まさに至言だと思いました。自分は就職のとき、これができていなかったのか、と思い出しました。面接官は多くの場合、誰かを落とさないといけない。そのとき、誰にするか。真っ先に浮かぶのは、自信のない人です。もうこの時点で勝負はついていたということです。
そしてこれはあらゆる場面に当てはまります。うまくいくと思わないと、うまくいくものもうまくいかないと思うのです。(49)
自分の幸運の芽を摘んでしまっていたのは、実は自分自身だった。そんなことも起こりえるということです。世界は誰かが作っているのではない。自分の意識が作り出している、ともいえるのです。(105)
私は、岐路に立っている友人に、よくこの言葉を贈ります。
「自分の運を信じろ」
一生懸命に生きている人を、神様は悪いようにはしない。私はそう思っています。(125)
成功を目指している若い人にメッセージを、という質問に、ある経営者がこう答えたのです。
「自分がヒーローインタビューを受けているところをイメージしてみればいいんじゃないですか。そうすれば、わかると思うんですよ。もし今、インタビューで語るに足る内容がなかったとすれば、まだまだ成功には早い、ということです。いつか成功したいなら、ヒーローインタビューに答えられるような体験を求めればいいと思うんですよ」(194)
不安はなくならない。となれば、不安とは上手に付き合っていく必要がある、ということです。
では、どうやって? 精神科医への取材でズバリそれを答えてくれる話を聞きました。ネガティブな感情というものは、そこから目を背けようとしたり、追いだそうとすればするほど、逆に強固になってしまうのだそうです。
そして不安をもたらしている理由は、それがぼんやりとしているから。ふわふわとしているから、不安になるのです。
だから、真正面から見据えてしまう。自分は何に不安なのか、逃げずに対峙してしまう。ぼんやりさせずに、何が不安なのかをはっきりさせてみる。これだけでも、少なくとも不安に飲み込まれ、自分が蝕まれるようなことは、なくなるはずです。(141)
名言の多い本である。