受験勉強は「学ぶ力」を学ぶ絶好の機会である。
もはや、学歴にはほとんど意味が無くなった。いまの早稲田生は一昔前の早稲田生より学力が大幅に落ちている(私に合格通知を出した時点でそれはいえる)。大学全入時代に入り、かつての有名大学も人をとるために必死だ。現に我が早稲田は大阪や佐賀にあらたな付属校を作っている。昔は早稲田大学「である」だけで人がきていたのが、学生募集を「する」ことがなければ人を集められなくなったのだ。
そんな時代でも、受験生は存在する。彼らは何のために学ぶべきなのか?
私は、受験勉強が「どう学習するといいのか」を習得する機会になれば良いと思う。
野口悠紀夫がいう通り、これからは社会人になったとしても勉強をしなければ生きていけない時代になった(『超・勉強法』)。いま大企業でも倒産/リストラをする時代に入り、人生後半から急に無職になる可能性が見えてきた。そんなときでも人が生きるには勤め先を見つける必要がある。再就職をすることを見越した上での人生プランが必要となってきた。
そんなとき、受験勉強を通じて「こういうふうに学習すればよい」と知っているのといないのとでは雲泥の差が出てくるであろう。人によって効果的な学習方法は様々である。ある者は暗記カードを作る方が記憶を強化しやすいであろうし、ある者はサブノートにまとめることの方が性にあっているであろう。ちなみに私の場合、学びたいテーマを扱った書籍を何冊も通読することによって学習をしている。受験の日本史・国語・英語を学ぶ際にとった方法だ(私立文系の私はこの3科目だけでよかったのである)。
日本史の場合、『石川 日本史の実況中継』という5冊本と『超速!日本史の流れ』シリーズ3冊をそれぞれ3回くらい通読、その後『菅野 日本史の実況中継』という古いシリーズを2度通読した。それだけで頭の中に日本史の流れがインストールされた気がする。この後、私は問題集を5冊くらいやり受験を迎えたのである。
問題集こそやらないが、現在の私の教育学ないし社会学の学習は上記をさらに徹底する形で行っている。
どのみち、これからの我々はずっと学んでいかないといけない。だからこそ、自分にあった学習スタイルと学習習慣の確立を大学受験で行う機会となると良いと思う。