寺山修司『家出のすすめ』角川文庫。

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寺山修司『家出のすすめ』角川文庫。

「森の石松も沓掛時次郎も、その反逆精神を発露したときには「一人」だったことをおもいだしてください」(136)

「「期待する」ということに期待しすぎると幻滅するものです」(141)
「「ヒーロー」的人物たちはすべて「怒って」いることがわかります。もちろん、それぞれに怒りの対象はちがいますが、ヒーローの最大公約数が「怒り」であることはまちがいありません」(171)
「ぼくは「自由である」と思いはじめてから、自分の可能性がぐんと拡められたような気がするようになりました。ぼくは自分のアパートを引きはらい、少しばかりの持ち物(本箱や下着類)を屑屋に売っ払ってしまったとたんに、ひどく金持ちになったような気がしたのです。つまり「何も持っていないから何でも持っている」という訳でしょうか。
 ぼくの棲家は「東京」そのものです。これは今までの一アパートよりもはるかに間取りが多くてゆたかです。レコードが訊きたいときにも、今までなら、手持ちのたった二枚しかないマル・|ワルドロンとエリッグ・ドルフィをすり切れるまで訊くしかなかったのが、今度からは街のレコード屋が全部ぼくのレコード室に早代わりできるのです。いつでも試聴室でモンクだのチャーリー・ミンガムだのを訊いてしかもタダです。
 自分の財産を眺めたいと思ったらばデパートへゆきます。デパートへ行けば何でもあります。そこでぼくは自分の持ち物の多さについて誇らしく(まるで、ソロモン大王のような気分で)点検を行います」(215-216)
→シンプルライフの極意である。

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