林真理子『野心のすすめ』

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シンプルライフとかなんとか流行っているけれど、

たまにこういう「ギラギラ」の本を読むのもいい。

 

特に、教員生活2年目で「自分はどう生きるべきか」考える際には。

仕事論の他、人生設計に関してなど、なかなか学ぶところが多い本であった。

…ただ私も、本書で批判されているような若者かもしれない。

「人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身に着けていきます」(135)

「世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力をしなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います」(135-136)

 

「早いうちから’何者’かになろうという野心を持ち、努力を重ねているに越したことはないわけです」(137)

 

「現状がイヤだと思ったら、とことん自分と向き合うこと。
友達と気晴らしに呑んで騒ぐのもいいけれど、時にはひとりで思い切り泣いたり、徹底的に落ち込んでみる必要があります。落ちるところまで落ちて初めて、「自分はなぜ楽しくないのか」「自分はどうしたいのか」が見えてくる。そうして、次にどんなアクションを起こせばいいのかもわかってくるのです。
では、「なんだかつまらない」のに、いくら考えても、自分が何をしたいのかわからない時はどうするか。
「何をしたいのかさえわからない、自分の至らなさ」をまずは自覚することです」(20)

「人に否定されたら、悔しい気持ちをパワーに変えてしまいましょう。凹んでいるだけでは、悪口を言った憎たらしい相手の思うツボではありませんか。今に見てろよ、と思う打たれ強さを意識的にでも持ちたいものです」(111)

読んでいて思うのは、仕事に「楽しさ」ばかりもとめることの無意味さである。

仕事は基本的にツライもの。

だからこそ、仕事は人間を鍛える。
そのツラさが「野心」に通じる。

仕事の「やり甲斐」どうこうを問うよりむしろ、
「まずやってみろ!」「継続しろ!」を自分に言うしか無いんだなあ。

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