さいきん、というよりここ数年、紙よりもPCでメモを取ることが多くなりました。
おそらく、皆さんもそういう方が多いと思います。
昔は起動時間が気になりましたが、MacBook Airはパッと開いてちょっとするとすぐ打てる。
実に便利なものです。
そのためもっぱら文字を書くのはPCで行なっています。
そのことに「弊害」があることに、ようやく最近、気づきました。
『プレゼンテーションZEN』を読んだためです。
世の中、見ていて眠くなる・ツラくなるプレゼンテーションが多いのはなぜか?
それをテーマに書かれた本です。
その理由として本書は、
〈いきなりPCでプレゼンテーションのデータを作ってしまうため〉と説明します。
PowerPointやKeynoteといったプレゼンテーションソフトはたしかに便利。
でも、プレゼンのやり方を考える際からいきなり使ってしまうと、
プレゼンソフトのテンプレート通り「箇条書き」だらけのつまらないプレゼンになってしまいます。
本書は写真の活用や「シンプル」を極めるなど、
実に実用的なテクニックが満載。
でも印象に残るのは、〈いきなりPCを使ってしまう〉ことの弊害の大きさ、です。
冒頭に書いたメモの話もそうです。
いきなりPCに打つと、その瞬間アイデアは「文字」の形に縛られます。
大体の場合、「箇条書き」の制約を受けます。
絵で書いたりキーワードを丸と矢印でつないだメモのほうが、
さらなるアイデアを生んだかもしれない。
・・・そんなふうに感じます。
そんなわけで、いきなりPCにメモするのでなく、
さいきんは紙にマインドマップなりフィッシュボーン法なりで書くようにしています。
PCをいきなり使う時よりも、アイデアの自由度が広まったように感じます。
マクルーハンという学者は「メディアはメッセージである」といいました。
文字で書くか絵で書くか。
紙に書くかPCに書くか。
こういった書字形式も「メディア」である以上、
「アイデアの書き留め方」がアイデアのメッセージ性を強めも弱めもするのです。
この点、「アイデア」が命である職種の人は気にかけるべきかもしれません。