『ぼんやりの時間』と『のぼうの城』。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

私がいつも「捨てよう」と思う本がある。

しかし捨てようとしてパラパラ見ると「やっぱやめよう」と思う本がある。

 

『ぼんやりの時間』(岩波新書)はそんな本の1つ。

どう考えても、「役に立つかどうか」と考えると「役立たない」本。

でも、読むとホッとする本。

 

筆者は「ぼんやり」を肯定する。

「昼行灯」の大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)も

「3年寝太郎」も、ふだん「ぼんやり」する分、

「ここぞ」の大舞台で活躍する。

 

意味なく「ぼんやり」時を過ごすことが、

人間としてのあり方を回復させる。

 

そんなテーマの新書である。

 

どうしようもなく追い込まれた時や、

「この連休、どう過ごそう」と思う時、

『ぼんやりの時間』をパラパラ見ると、

自分が肯定される(電子データではない生身の本にはこんな効能があるのだ)。

 

映画『のぼうの城』も、「ぼんやり」な主人公が登場する。

普段は農民と田楽踊りに明け暮れ、

武士らしいところが何もない「ぼんやり」な人。

 

だからこそ「(でく)のぼう様」と呼ばれる。

 

通常はぼんやりの「のぼう様」だが、

緊急時に強い。

 

普段の「ぼんやり」や「でくのぼう」性が、

すべて「城を守る」という1点に活かされる。

 

こういう映画を見ると、人生においての「ムダ」は

「いざ」という時に役立つものだ、と分かる。

 

この「ムダ」の根源こそ、「ぼんやり」にあるのだろう。

 

(職業柄、「のぼう様」はADHD傾向があるのではないかと見てしまうが、

それは別の話)。

 

今日私は定山渓温泉に「ふらっと」行った。

雪を見ながらの露天風呂は非常に旅情を誘う。

 

『ぼんやりの時間』にはちゃんと「温泉」に1章割かれている。

温泉につかり、何をするでもなくボーっとする。

それが「ぼんやりの時間」。

日常から離脱して「ぼんやりの時間」を取ることで何故かすごく癒された。

 

「ぼんやりの時間」と「のぼうの城」と「温泉」の三題噺、

以上で幕となります。

 

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004312388/ref=as_li_qf_sp_asin_il_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4004312388&linkCode=as2&tag=ishidahajime-22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください