映画『外事警察』

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組織と個人との関係は、古くからのテーマです。
個人の意図を超え、「組織悪」とでも呼ぶべき状況が発生する。
その難しさが組織と個人との間にあります。

『外事警察』はある意味国家のつくった「魔物」とでも呼ぶ主人公と、
雇い主である上司や彼の部下たちの関係性が描かれています。

渡辺篤郎演じる主人公は、笑顔と脅しを演じ分け、相手をコントロールしつつ目標を達成します。
「相手の「怒り」をうまく利用することが外事警察の基本だ」というセリフがそれを物語っています。

北朝鮮と原子力爆弾の製造、ウランの密輸などがテーマになり、なかなかスリリングな展開が続きます。

ですが、この映画を観ていて腑に落ちないのは、「なんのために主人公が働いているのか」全くわからない点です。

ゴルゴ13的に、自分の感情を出さない人物だからです。
公安は「国益」を守る仕事ですが、何をもって「国益」というか、それが不明確なままです。

抽象的ではっきりしない「国益」とは、一体何か?
一度明確にする必要がありそうです。

なおNHKでやっていたときの作品はこちらです。

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